2021 Fiscal Year Research-status Report
措置入院者における退院支援に向けたケア技術の整備と看護ガイドラインの開発
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20K10992
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Research Institution | Kanagawa University of Human Services |
Principal Investigator |
阿保 真由美 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 講師 (30644596)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 純子 昭和大学, 保健医療学部, 准教授 (40644597)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 措置入院者 / 退院支援 / 精神看護 / 多職種連携 / ケア |
Outline of Annual Research Achievements |
研究は、措置入院者への退院支援として多職種連携の実態を明らかにする、患者及びその家族へ実践されるケア内容を明確化し、看護ガイドラインを策定することを目的としている。3か年の研究計画で、以下の3点のプロセスを経て研究を総括する。 1)面接内容・ガイドライン項目の抽出、2)看護内容・多職種間連携の実態調査、3)看護ガイドラインを策定する。そのために、2年目の本年度は、以下のような調査を行った。(1)看護内容調査の実施 患者及びその家族へ実践されるケア内容の明確化をめざし、精神科救急病棟勤務経験5年以上の看護師14名に面接を実施した。措置入院者へのケア事例より、生活史、社会背景も視点に入れ、看護師の意図を含むケア実践に関する意識・葛藤・配慮していること等の語りから質的帰納的分析を実施し、ケア内容・技術を整備した。看護師より、入院直後の関わりについて、ケアの意図を含む詳細な語りが聞かれたが、退院支援過程における語りは少なく、ケア内容の全容を捉えられているのか課題は残った。また、看護師の意識的なケア実践は、看護師の記憶に基づく語りからの分析で、看護師の記憶や認識に限局したものである。このため、今後、参加観察等により実践されたケア内容をさらに質的帰納的に総合的多元的に分析し、整備していく。 (2)多職種間連携実態調査の実施 看護師への面接により、医師、精神保健福祉士、訪問看護師、保健師、行政職員等との多職種連携状況を調査した。 今後、研究成果を踏まえ、ガイドラインに含むべき項目毎に整理し、『精神科救急病棟における措置入院者への看護ガイドライン』作成に向けて研究を総括する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、教育を最優先し、研究時間確保が困難であった初年度の状況が尾を引き、当初の計画よりやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
実施した看護内容調査、多職種間連携実態調査を引き続き、総合的多元的に分析する。 今後、入院直後だけでなく、患者家族と退院前支援ニーズに沿った実践・調整・働きかけ、他職種や自治体との協働等の実態調査を参加観察等によって具現化していく。 研究成果を踏まえ、ガイドラインに含むべき項目毎に整理し、『精神科救急病棟における措置入院者への看護ガイドライン』作成に向けて研究を総括する。 さらに、今年度行った調査の途中経過報告として学会発表及び論文投稿を行う予定である。
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Causes of Carryover |
研究費の計画的運用ができなかったこと、打ち合わせのオンライン実施、交通費請求の失念等により次年度使用額が生じた。
翌年度分として請求した次年度使用額と合わせて、文献等物品費、謝金、学会参加費、翻訳・校閲料として使用させていただく。
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