2020 Fiscal Year Research-status Report
幼児のクロノタイプからみた睡眠習慣確立のための健康支援
Project/Area Number |
20K10999
|
Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
岩渕 光子 岩手医科大学, 看護学部, 特任准教授 (70322336)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古川 照美 青森県立保健大学, 健康科学部, 教授 (60333720)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | クロノタイプ / 幼児 / 健康支援 / 睡眠習慣 |
Outline of Annual Research Achievements |
クロノタイプと日常生活のずれを改善し適切な睡眠を確保するために、クロノタイプに合わせ睡眠習慣確立のための健康支援を実施し,子どもの頃からの親子の睡眠覚醒リズムの乖離を改善する方策に示唆を得ることを目的としている。 初年度は、保育園・認定こども園に通園する3~5歳児の保護者を対象に自記式質問紙による横断調査を実施した。調査項目は、幼児のクロノタイプと睡眠状況(子どもの朝型・夜型質問票日本語版:CCTQ)、睡眠習慣、親の睡眠状況(ピッツバーグ睡眠質問票:PSQI)、養育行動、幼児の生活リズムと親の生活のずれに関する認識についてである。354部配布し、214部を回収した(回収率60.5%)。CCTQで分類される朝型、中間型、夜型のクロノタイプ別に各項目間の関連を分析した。 幼児の朝型、中間型、夜型の割合は、それぞれ23.9%、62.2%、13.9%であった。親の睡眠状況は、入眠困難、中途覚醒・早朝覚醒党の睡眠困難、睡眠の質、日中の眠気には有意差がなく、意欲の持続に関する問題と、睡眠と質の評価の不良(PSQI総合得点6点以上)は、どちらも夜型の幼児を持つ親に多かった。 睡眠習慣では、「毎日の朝食摂取」「夕食時刻の規則性」に有意差はなく、「夜のカフェイン摂取」を控えるは中間型に多く、「就寝前のメディア接触」を控えるは夜型に少なかった。養育行動10項目のうち、「外出時は帰宅時間を決めている」「夜寝る前に興奮させない」の2項目は、夜型では実施率は低かった。幼児の生活リズムと親の日常生活の乖離は、夜型で多く認識されていた。 夜型の幼児の親は、幼児の生活リズムと自分の生活のずれを認識し、自分の睡眠評価と意欲が良好とは言えず困難な状況が伺えた。親子の睡眠状況を確認し、夜の過ごし方を見直す支援の必要性が示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通り横断調査を実施でき、幼児のクロノタイプに関連する親の睡眠状態、睡眠習慣、養育行動、幼児の生活リズムと親の日常生活の乖離の実態が明らかになった。
|
Strategy for Future Research Activity |
幼児のクロノタイプに合わせた育児負担軽減のための支援の方向性と内容の検討を進め、計画通り、クロノタイプを意識した支援を実施し、客観的評価も入れ効果を明らかにしていく予定である。
|
Causes of Carryover |
感染予防のための学会開催方法が変更となったこと、研究打ち合わせの方法を見直したことにより支出が減った。また、調査のデータ入力を自身で実施したため支出がなかった。 次年度は、介入研究の評価のための唾液検査の検査代等に使用予定である。
|