• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2023 Fiscal Year Research-status Report

地域包括ケアシステムのもとでの在宅災害看護理論の構築に向けた基礎的研究

Research Project

Project/Area Number 20K11008
Research InstitutionKansai University of International Studies

Principal Investigator

畑 吉節未  関西国際大学, 保健医療学部, 教授 (10530305)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 畑 正夫  兵庫県立大学, 地域創造機構, 教授 (40596045)
Project Period (FY) 2020-04-01 – 2025-03-31
Keywords看護理論の構築 / 在宅災害看護 / 地域包括ケアシステム
Outline of Annual Research Achievements

1.構築すべき理論が複合災害にも対応でき、オールハザードアプローチを求めるWHOがその実現を求める「災害健康危機管理」(Health-EDRM)の枠組みを得られたハザードの語りに適合できるように検討を深めた。とりわけ、シングルハザードからオールハザードに対応できるよう、在宅看護実践が平時及び非日常に対応できるよう、そこにある脆弱性と受容性に焦点を当てて検討を進めた。そのために、在宅ケアを一つの事業所で統合的に提供する「看護小規模多機能介護」を事例に、これまでの検討結果を重ね合わせ、コアとなる課題の抽出を図った。
2.在宅看護においては、その人のウェルビーングを高めるための持続可能な関わりが不可欠である。そのために基本モデルの構築に当たっては療養者が災害に遭遇しても病みとともに生きることの意味を損なわないように、「病みの軌跡」とコービンとシュトラウスが述べるように長期を展望して健康危機と向き合うことができるように基本モデルを療養者中心のモデルへと発展するよう検討を行った。
3.検討に当たっては抽出したキーワード(例)をもとに、療養者像を「病気や障害とともに生きる」、「暮らしの場で生きる」の両側面から、ケアの在り方を「他の専門職との連携・協働」から、地域のなかで多様な主体とともに「生きる」を「持続可能」にすることから、それぞれの視点をもとに災害時の看護実践行動モデルの精緻化を図った。
4.「行動制約」、「ケア提供のアプローチの変容」、「持続不可能性を孕むケア提供基盤」など、新興感染症下で経験した影響を踏まえ、災害の差異と共通性について検討を行い、災害時の看護実践行動の基本モデルへの反映を行った。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

1.新たな研究協力者の協力をもとに、基本モデルを実装する際に踏まえておくべき隘路の探索を行うなど、実効性を高めるための検討を行った。こうしたなかで、被災経験を持つ在宅看護師のなかでも、災害の多様性、日常との繋がりを明確にすることが難しく、さらなる語りの収集と分析の必要性に直面した。

2.こうした課題を解消するためにも、対象者中心の在宅看護の提供を行うために不可欠な利用者の視点を得るために、語りの収集を行うなど、看護提供者と多職種、それを支える社会システムはもとより、利用者との相互関係のなかで実践に必要な視点を抽出することとし、現在、新たな主体の視点からの語りの抽出を進め、対応を行っている。

Strategy for Future Research Activity

1.検討・作成した基本モデルをもとに、その実効性を高めるために、これまでの語りの収集に新たな語りを合わせ、典型的なモデルケースとして形成する。それらは異なる研究者や実務者が同じ概念、理論を一貫して理解するためのモデルケース及び相反するケースをとなるものを作成することを予定している。また、専門職が教育や訓練の場ではそれらのモデルケースを用いて提案する理論を学ぶための方略に必要な学習ポイントの抽出を行う。
2.これに並行して、対象者中心の在宅看護の提供を行うために不可欠な視点を得るために、広がる在宅看護の場に適応できるように看護提供者と多職種、それを支える社会システムはもとより、利用者との相互関係のなかで実践に必要な視点を抽出するための新たな主体の視点からの語りの抽出を進め、基本モデルにフィードバックする。
3.得られた理論の実装に向けて、療養者の「生活の持続と再構築」を可能にするコミュニティとの関係性を深化させるような環境整備のために、看護教育が果たす役割を検討するために、頻発する災害に対応するために地域で進む防災・減災コミュニティの活動との接点を探る。
4.研究期間の成果と今年度の取組をもとに、成果のとりまとめを行う。

Causes of Carryover

1.2023年度は新たな研究協力者から看護実践行動の語りを収集をするなかで、Webを積極的に用いインタビューのための旅費を節約した反面、インタビューを通して減災・防災コミュニティに取り組む多主体との接点から理論構築を支える必要が明らかになった。そうした主体に対応する準備に日時を要したことに加え大規模災害が発生したことなど、実際に語りの収集に至らなかったことが旅費の支出が予定を下回った。

2.2024年度においては、広がる在宅看護の場で活動する新たな在宅看護事業者(例:看護小規模多機能型介護)などのステークホルダーへの追加調査を行うために必要な調査企画、調査票の作成棟の経費として使用する預手である。

  • Research Products

    (14 results)

All 2023

All Journal Article (5 results) (of which Peer Reviewed: 5 results) Presentation (9 results)

  • [Journal Article] 地域住民が病気や障害を持ちながらも、住み慣れた地域で暮らし続けるための課題の検討2023

    • Author(s)
      栃本千鶴,畑 吉節未
    • Journal Title

      岐阜保健大学紀要

      Volume: 4 Pages: 53-60

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] コロナ禍における感染対策が矯正施設の男性受刑者のもたらした影響2023

    • Author(s)
      中谷こずえ,畑 吉節未
    • Journal Title

      人間福祉学会誌

      Volume: 22(2) Pages: 61-70

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 日本とイギリスのコロナ禍における保健医療の状況と実践、課題、展望についての検討-日英オンライン学術交流会の実践報告-2023

    • Author(s)
      西牟田祐美子,畑 吉節未
    • Journal Title

      岐阜保健大学紀要

      Volume: 4 Pages: 67-78

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 精神科看護師が体験する言葉の暴力に対する理解の多層的検討―看護師の感情体験と対応を手がかりにして2023

    • Author(s)
      松原渉,畑 吉節未
    • Journal Title

      神戸常盤大学紀要

      Volume: 16 Pages: 1-19

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 精神障害を持つ患者の生きにくさの理解における多層的枠組み作成の一考察―看護師の感情体験と対応を手がかりにして―2023

    • Author(s)
      松原渉,畑 吉節未
    • Journal Title

      神戸常盤大学紀要

      Volume: 16 Pages: 31-51

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 災害時の在宅ケアの事業継続に向けた先駆的取組みとその課題ー被災経験を持つ訪問看護師からのインタビュー調査2023

    • Author(s)
      畑 吉節未
    • Organizer
      第5回日本在宅医療連合学会大会
  • [Presentation] 災害時における病院の業務継続計画(BCP)の文献レビュー2023

    • Author(s)
      早見一輝,畑 吉節未
    • Organizer
      第27回日本看護管理学会
  • [Presentation] 災害時の病院事業継続計画(BCP)の効果性を高めるための看護の役割2023

    • Author(s)
      早見一輝,畑 吉節未
    • Organizer
      日本災害看護学会第25回年次大会
  • [Presentation] 第27回日本看護管理学会2023

    • Author(s)
      畑 吉節未
    • Organizer
      日本災害看護学会第25回年次大会
  • [Presentation] 事業継続計画への日常リスクの包摂性に関する検討2023

    • Author(s)
      畑 吉節未
    • Organizer
      第28回日本在宅ケア学術会議
  • [Presentation] 事業継続計画の一手法であるペアステーションの設定・運営に関する課題の検討2023

    • Author(s)
      畑 吉節未
    • Organizer
      第13回日本在宅看護学会
  • [Presentation] 在宅難病療養者の災害への備え2023

    • Author(s)
      畑 吉節未
    • Organizer
      第13回日本在宅看護学会交流集会
  • [Presentation] 健康危機状況下の在宅ケアの継続のあり方の検討 -看護小規模多機能型居宅介護の取組みから-2023

    • Author(s)
      畑 吉節未
    • Organizer
      第43回日本看護科学学会
  • [Presentation] 生きづらさと依存症を抱える当事者がとらえる将来への希望2023

    • Author(s)
      畑 吉節未
    • Organizer
      第43回日本看護科学学会

URL: 

Published: 2024-12-25  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi