2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of a restraints free program for patients regarding improvement of staff motivation, volition, and performance to care
Project/Area Number |
20K11015
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
加藤 真由美 金沢大学, 保健学系, 教授 (20293350)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
油野 規代 公立小松大学, 保健医療学部, 講師 (10827108)
正源寺 美穂 金沢大学, 保健学系, 助教 (80345636)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 身体拘束 / 転倒・転落 / チューブ類抜去 / 臨床判断 / 動機 / 意欲 / パフォーマンス理論 / 認知機能障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は「動機、意欲、パフォーマンス理論(Keller)」を基盤とした、在宅復帰支援病棟における身体拘束回避・解除のための教育を含むプログラムを構築することである。 今年度は転倒予防センサを使用している病院における転倒・転落(以下、転倒)に係る身体拘束実施要因を検討するため、後ろ向き調査を実施した。本研究は金沢大学医学倫理審査委員会(承認番号:1001)と研究施設から承認を得て実施した。 対象者は2018年10月から同年12月の期間に入院した患者379人であった。日常生活自立度は、ランクJ(生活自立)が110人(29.0%)、ランクA(準寝たきり)107人(28.2%)、ランクB(寝たきりだが、座位を保つ)99人(26.1%)、ランクC(寝たきりで日中ベッド上で過ごす)63人(16.6%)であった。平均年齢±標準偏差(最小値-最大値)は、79.5±11.1(29-100)歳であり、男性は203人(53.6%)、女性は176人(46.4%)であった。入院後の転倒者は23名(6.1%)であり、うち転倒回数1回が17人(70.8%)、2回3人(12.5%)、3回2人(8.3%)であった。転倒予防センサを設置された患者は63人(16.6%)、身体拘束を受けた患者は6人(1.6%)であり、うち3人はセンサと身体拘束の両者を受けていた。身体拘束と相関があった変数は、入院後の転倒、要移動介助、要排泄介助や危険の予知能力・回復力の低下を認めるであったが、いずれも相関係数は低かった(p<0.01)。患者の「危険の予知能力・回復力の低下を認める」のオッズ比は、0.142(p=0.034、95%信頼区間:0.023-0.862[転倒予防センサ設置を調整済み])であり、看護師の臨床判断は身体拘束実施率の低下に影響することが示唆された。身体拘束回避・解除が実現されるためには、看護師の臨床判断力の向上が必須であることが明らかとなった。そのため、身体拘束回避・解除プログラムの構築では臨床判断力育成の強化を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
動機、意欲、パフォーマンス理論を基盤とした身体拘束回避・解除プログラムの構築に必要なデータ収集・分析は実施できた。しかし、新型コロナウイルスのクラスター発生の予防として、施設内への研究者や研究補助者の立ち入りが禁止された。そのため、後ろ向き調査が中断となったり、内諾を得ていた複数の施設から協力辞退があり、予定していた施設からデータを収集できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
身体拘束の実施要因や理由は施設の種類(スタッフ配置等)や患者の特徴により異なるため、補充の調査を行い、動機、意欲、パフォーマンス理論基盤の身体拘束回避・解除プログラムを構築する。プログラムは、デルファイ法を用いて妥当性、重要性、実行可能性等を検証するが、方法を工夫して円滑に進める。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスのクラスター発生の予防として、施設内への研究者や研究補助者の立ち入りが禁止された。そのため、後ろ向き調査が中断となったり、内諾を得ていた複数の施設から協力辞退があり、予定していた施設からデータを収集できなかった。補充の調査を実施する予定であり、データの入力費等に使用する。
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Research Products
(5 results)