2021 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者の人型社会的対話ロボットとのコミュニケーションが脳活動に与える影響
Project/Area Number |
20K11024
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Research Institution | Ishikawa Prefectural Nursing University |
Principal Investigator |
中田 弘子 石川県立看護大学, 看護学部, 教授 (70551167)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 宏光 石川県立看護大学, 看護学部, 教授 (20225535)
三輪 早苗 石川県立看護大学, 看護学部, 助教 (40457891)
中嶋 知世 石川県立看護大学, 看護学部, 助教 (60638732)
瀬戸 清華 石川県立看護大学, 看護学部, 助教 (80805614)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 人型対話ロボット / コミュニケーション / 前頭前野oxy-Hb濃度 / 近赤外分光法 / 主観的評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
人型対話ロボットとのコミュニケーションが脳活動に与える影響を検討した。被験者は健常な成人18名(男性7名、女性11名)、平均年齢は40.4±9.5歳であった。人型対話ロボットにはSota(ヴィストン社製)を用いた。対話は人との対話、ロボットとの対話の2条件を行った。生理的指標として前頭前野oxy-Hb濃度の変化を近赤外線組織酸素モニタ(Pocket NIRS HM)により経時的に計測した。oxy-Hb濃度は前安静の値が安定した1分、対話中5分、対話後5分の計11分計測し、前安静の値をゼロとした相対変化量を測定した。また、対話中の被験者の発話時間・笑い頻度を観察した。笑い頻度は声を出した笑いを1カウントとした。対話時の被験者の表情を一定の方法で録画した。主観的評価では各条件前後にSemantic Differential: SD法による8項目を質問紙調査を実施した。 結果、対話中・後の比較では、人との対話中からoxy-Hb濃度の増加がみられ、対話後は対話中に比べ有意な増加がみられた。ロボットとの対話では、対話中からoxy-Hb濃度の増加がみられ、対話後は対話中に比べ有意な増加がみられた。2条件における対話中および対話後の直接比較では、人との対話の方がロボットとの対話に比べoxy-Hb濃度は増加したがいずれも有意な差ではなかった。平均発話時間の比較では、ロボット対話より人対話が有意に増加し、逆に笑い頻度ではロボット対話の方が人対話に比べて有意な増加がみられた。主観的評価の平均得点は、人との対話では「落ち着き」、「くつろぎ」、「爽快」、「元気」、「楽しさ」に、ロボット介在の対話では「楽しさ」、「興奮」に有意な増加がみられた。直接比較では人との対話は「落ち着き」、「くつろぎ」に有意な増加がみられた。ロボットとの対話では前頭前野が活性化する可能性が示唆された。
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