2020 Fiscal Year Research-status Report
特別養護老人ホームの認知症者への誤嚥性肺炎予防に必要な看護師のコンピテンシー構築
Project/Area Number |
20K11026
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
天木 伸子 愛知県立大学, 看護学部, 講師 (40582581)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
百瀬 由美子 愛知県立大学, 看護学部, 教授 (20262735)
藤野 あゆみ 愛知県立大学, 看護学部, 准教授 (00433227)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 誤嚥性肺炎 / 特別養護老人ホーム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、介護老人福祉施設の誤嚥性肺炎予防ケアにおける施設職員のコンピテンシーリストの作成およびコンピテンシーを獲得する支援プログラムの開発と検証を行うことである。今年度は、施設職員が行う誤嚥性肺炎の予防について文献検討、概念枠組みの作成を計画した。 誤嚥性肺炎の発症に関わる要因は、一般的に口腔の衛生状態、接触嚥下機能、栄養状態、内服薬の副作用、認知機能と多岐にわたる。これらの要因への対応として、口腔ケア、リハビリテーション、栄養管理を行うことを推奨されている。特別養護老人ホームにおける肺炎予防を検索した結果、歯科衛生士による口腔ケアについては誤嚥性肺炎の発症リスクを低減したことが示されていた。しかし、機能的口腔ケアの実施や、嚥下機能評価、栄養管理、内服薬の副作用アセスメントの実施結果を示す研究報告はみられなかった。口腔ケアの効果について研究報告が累積される一方で、経管栄養管理をしている高齢者について、専門的口腔ケアを実施しても下咽頭部に残留する起炎菌を排除することが難しく、嚥下機能の低下によって不顕性に気管内へ入っている可能性が指摘されていた。高齢者の嚥下機能により口腔清掃に加えて嚥下訓練を実施することがさらなる効果が期待できることが示唆されていた。 職員の口腔ケアへの認識調査では、職員の口腔衛生や口腔ケアへの関心は高く、95%の職員が教育機会を得たいと希望していた。また、約半数の職員が口腔ケアの実施負担を感じており、ケア技術の負担が少なく効果的に実施できる口腔ケア方法の開発が必要であることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
特別養護老人ホームにおける誤嚥性肺炎の文献検討後、検討結果を基に概念枠組みの作成を実施する計画であったが、研究者会議による検討会の開催機会をもうける機会がもてず作成に至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年は誤嚥性肺炎の予防に必要なコンピテンシーの明確化を行うため、誤嚥性肺炎の予防について特別養護老人ホームに勤務する職員にインタビューを行い誤嚥性肺炎の予防に必要な看護問題について質的に分析を行う計画をしているが、新型コロナ感染症の影響により施設職員へのインタビューが困難となっているため、オンラインインタビュー、質問紙調査への変更など調査方法の変更を見直した計画を作成して実施する。
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Causes of Carryover |
2020年度は文献レビューを基礎資料として誤嚥性肺炎予防について概念枠組みの作成をする予定であり、研究会議の開催を行う予定が実施することが出来なかった、また、新たな知見を得るための学術集会がweb開催となり旅費の支出がなくなった。2021年度は、研究会議をオンラインで開催できるようにオンライン会議に必要な器具を購入して実施する。2021年度は、インタビュー調査を計画しており、インタビュー謝金やオンラインインタビューとなった場合の機材経費が必要となる。
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