2020 Fiscal Year Research-status Report
在宅で暮らす心不全患者における予防的入院基準の開発
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20K11028
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Research Institution | Kansai University of Social Welfare |
Principal Investigator |
平野 通子 関西福祉大学, 看護学部, 助教 (10645120)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 心不全 / 倫理申請 / オプトアウト |
Outline of Annual Research Achievements |
研究の目的は、家で暮らす心不全患者の症状が悪化する前兆を捉え、入院を予防的に活用し、在宅から入院する時期を見極めるための症状の基準を明らかにすることを目的としている。その前段階として、そもそも在宅から入院する状態に至ったときに、心不全の前兆を捉え、早めに入院してきた患者が治療も入院期間も軽微で済んでいるのかというものの研究がないために、2020年はそれらを明らかにする研究を計画していた。 2020年度の当初の計画では、重症心不全患者100例、軽症心不全患者100例を対象者として軽症心不全患者の方が、治療期間も短く、治療も軽微で済むことを比例ハザード分析をかけて分析することであった。しかし、2020年度は、急速な新型コロナ感染拡大に伴い、主に心不全患者を扱っている3次救急病院への研究依頼に困難を呈した。人道的に、新型コロナが感染爆発していた期間は、研究依頼を控えていた。また、少しコロナ感染が収まりかけたころを見計らい、研究依頼を4か所ほど、依頼をかけたが軒並みお断りのお返事が続いた。 やっと1施設2021年1月頃に受け入れ可能な病院を見つけることができ、現在、病院施設での倫理申請に向けて始動し始めたところである。 また、大学での倫理申請は、2020年7月には許可がおりていたが、カルテ閲覧が研究内容に盛り込まれていたため、個別での同意書を取ることで、2020年7月当時、倫理申請の許可がおりていた。しかし、コロナ禍で特に重症心不全患者に個々に同意書を取得すること自体が被験者に有害事象を生む元となるとして研究方法の変更を迫られた。そして、オプトアウトの形を取り、研究推進に向けて現在進行中である。 循環器を専門としている病院の為、データは潤沢にあり、研究を進めるにあたり、問題はないと思われる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究を始めるにあたり、2020年7月には、大学の倫理申請が通っていた。しかし、現在のコロナ禍で研究依頼を複数の施設に何度かお願いをしてきたが、軒並みお断りの回答が続いた。また、倫理申請で研究内容にカルテ閲覧が含まれていたため、当初、患者個々に同意書を交わすことで倫理申請が通っていた。しかし、このコロナ禍で、特に重症心不全の患者は接触すること自体が患者へのコロナ感染の機会を作ってしまうとして被験者の不利益が大きいと判断をした。そのため、研究計画の見直しを迫られ、同意の取り方についての研究計画変更に伴い、再度倫理申請をしなければいけない事態が発生した。現在、院内に共同研究者を募り、オプトアウトで掲示をする形に変更し、研究を進めていこうとしている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、研究を受けて頂いた病院施設において、病院施設での倫理申請に向けて、院内の共同研究者と会議を重ねている途上である。また、その後の分析においても科研費でSPSSを購入したところである。 分析においては、分析に長けている共同研究者を募ったこと、また、博士課程の教授にもスーパーバイズをもらえることから、今後、着実に確実に研究を進めることができると考える。
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Causes of Carryover |
昨年、SPSSのベース部分のみの購入だった。今後アドバンスのSPSSを購入予定である。また、コロナ禍で移動することが減った分、通信費や郵送費を交通費の方から代替え処置として出費予定である。 活動の制限分を郵送費へ転換予定である。
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