2022 Fiscal Year Research-status Report
在宅生活ニーズの把握と多職種連携のための見取り図の活用効果の具体的検証
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20K11030
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Research Institution | Teikyo Heisei University |
Principal Investigator |
工藤 恵子 帝京平成大学, ヒューマンケア学部, 教授 (60453958)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 晃 福島大学, 人間発達文化学類, 特任教授 (20187701) [Withdrawn]
大越 扶貴 東京医療保健大学, 看護学部, 教授 (90352632)
阪東 美智子 国立保健医療科学院, その他部局等, 上席主任研究官 (40344064)
高橋 郁子 帝京平成大学, ヒューマンケア学部, 教授 (40379946)
猪股 久美 帝京平成大学, ヒューマンケア学部, 准教授 (90464784)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 見取り図 / 在宅生活 / 多職種連携 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和4年に予定していたフィールド調査(自治体で働く保健師を対象とした見取り図活用の事例検討会)は、コロナ禍で中止となった。それ以降もフィールド調査は困難な状況が続き、実務者を対象とした訪問調査や事例検討会に代えて、今年度実施できたのは以下の2つの調査であった。 ①自治体の新任保健師を対象とした研修会における調査 家庭訪問に関連する研修の中で見取り図や見取り図の活用について説明し、研修終了後にアンケートを実施した。見取り図に関する興味や関心、見取り図を活用することは有効であるとする意見、実際の地区活動の中で機会があれば見取り図を描いてみたいという意向は、過去に実施した調査と同様の傾向にあった。今回の対象者はそれぞれの所属で実務を経験する前の新任保健師であったが、新卒者の中にはコロナ禍のため臨地実習での家庭訪問は未経験であったとする者もいた。 ②アイトラッキングを用いた試行調査 見取り図を活用する際の視点(何を観察するために、見取り図のどのような部分を、どの程度注視しているのか)を可視化するために、アイトラッキングを用いた試行調査を実施した。今回、被検者となった研究者2名(建築関係者、保健師)の、見取り図を観察する場合のゲイズプロットでは、観る順番や注視する場所はそれぞれ異なっていた。しかし最終的には見取り図全体を網羅するような視線の動きが確認された。またヒートマップでは、見取り図の中で対象者が過ごす場所(日中の居場所や寝る場所)に視点が集中しており、そこを中心に見取り図全体に視点が広がっていた。ヒートマップに差はあるものの、集中的に見ている場所は共通していた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
令和4年7月末に実施予定であった見取り図活用の事例検討会は、新型コロナウイルス感染症の第7波と重なり、研究協力者が行政機関に勤務する保健師だったため、コロナ対応業務が多忙となり中止せざるを得ない状況となった。事例検討会は、新型コロナウイルス感染症の感染者数減少を待って実施する予定であったが、年度内の実施はかなわなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
フィールドで実務者を対象とした調査は実施が困難な状況が続いており、計画を変更し、新たな調査としてアイトラッキングを活用した試行調査(見取り図を用いて事例を把握する際、見取り図のどの部分を注視して、どのようなアセスメントを行うのか)を行った。今後、得られたデータの分析をさらに進め、本研究の目的である見取り図の活用効果を検証ができるのか、さらには同様の調査を実務者等を対象に実施することが可能なのかについて検討していく。
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Causes of Carryover |
調査対象者である保健、医療、福祉の実務者が、コロナ禍のため日常業務の中でも実際に対象者に会うことができない状況で、家庭訪問の実施も制限されるようなことが続いた。このような中で調査研究のための家庭訪問を行ったり、研究者が実務者に同行して訪問調査したりすることができなかった。さらに関係者を集めて研修会や事例検討会を行うことも難しい状況であった。オンライン会議が普及しているが、見取り図を共有し、見取り図をもとにしたディスカッションを、対面せずにオンライン上で行う方法に転換していくのが難しく、研究そのものが停滞する状況となった。
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