2022 Fiscal Year Research-status Report
認知症患者へ身体拘束を回避した転倒予防ケアを行う看護師チームメンタルモデルの構築
Project/Area Number |
20K11041
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
牧野 真弓 富山大学, 学術研究部医学系, 助教 (50714169)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 真由美 金沢大学, 保健学系, 教授 (20293350)
吉江 由加里 福井医療大学, 保健医療学部, 教授 (00723826)
松本 智里 石川県立看護大学, 看護学部, 准教授 (10738389)
正源寺 美穂 金沢大学, 保健学系, 助教 (80345636)
泉 キヨ子 帝京科学大学, 医療科学部, 教授 (20115207) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 認知症 / 身体拘束 / 転倒予防 / 看護師 / 組織の文化 / チームメンタルモデル |
Outline of Annual Research Achievements |
一般病院に入院して治療を受ける認知症や認知機能が低下した高齢者(認知障害高齢者)は、記銘力の低下より入院環境に適応しづらく、興奮や徘徊等の行動心理状態(BPSD)やせん妄が起きやすいことで、点滴等のチューブ類の抜去や、転倒転落などの事故につながりやすい。病院では医療事故予防を目的とした一時的な身体拘束は認められているが、治療を優先するため、速やかに解除されにくい現状がある。身体拘束の低減につながる病院の組織的要因について、広く示唆を得る必要がある。 R5年度は、前年度に引き続きスコーピングレビューを行った。選定した48文献の分析を進め、内容妥当性を検討した。筆頭研究者が要約した内容を共同研究者と共有し、3人の研究者が独立して内容妥当性を5段階で評価した。Webミーティングを10回開催して評価した内容を意見交換し、不一致部分は協議を行い、合意の上で絞り込む文献を決定した。 最終、身体拘束を従属変数とし統計分析した研究および、事例研究の14編を抽出した。レビュー結果より、拘束低減に関連した組織的要因は、専用病棟の設置、拘束ガイドラインの利用可能性、認知症ケアミーティングの定期開催、精神科医へ相談可能な体制、専任助手の24時間配備、看護師への再教育(せん妄予防・BPSD予防と管理)、特有の建築様式(出入口にアラーム、活動できる共同スペース、行動障害者専用部屋の設置)であった。拘束使用に関連した組織的要因は、拘束率の高い病棟であった。老年看護学会と国際学会にて報告予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
文献の内容妥当性の検討に関する協議をWeb上で10回行うために、研究分担者数名との日程調整に時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
論文投稿へ向けて準備中である。
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Causes of Carryover |
申請段階では新型コロナウイルス感染症は起きていなかったため、病院を訪問し対面で情報収集していく予定で、旅費や交通費や郵送費などを組み込んで予算を組んでいた。しかし感染症の完全収束が見通せない中、調査対象となる医療機関への負担を考慮し、スコーピングレビューによる文献検討へ変更した。そのため、関連する文献や書籍の取り寄せ、オンライン環境の整備や学会や勉強会への参加費に予算を使用した。 次年度は、感染症の収束状況を見ながら、可能であれば調査費用や郵送代に使用予定である。
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