2022 Fiscal Year Research-status Report
在宅療養患者への看護師による携帯エコーを使用した心不全評価の臨床的意義
Project/Area Number |
20K11051
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Research Institution | Ishikawa Prefectural Nursing University |
Principal Investigator |
田村 幸恵 石川県立看護大学, 看護学部, 講師 (20336605)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中田 弘子 石川県立看護大学, 看護学部, 教授 (70551167) [Withdrawn]
木森 佳子 石川県立看護大学, 看護学部, 准教授 (30571476)
小林 宏光 石川県立看護大学, 看護学部, 教授 (20225535)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 心不全 / 在宅 / 携帯型エコー / 看護師 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、在宅療養心不全患者の身体所見観察に看護師が実施する携帯エコーを検査に加えることによる臨床的意義を検討することである。 携帯エコーで取得する心不全の評価指標は、下大静脈と肺エコーによるBラインであった。心不全の増悪で入院した患者の治療終了までの下大静脈とBラインの経時的変化および他の心不全観察所見との関連性を検討することを目的に計画立案した。研究フィールドとなる病院にも内諾を得て、所属機関の倫理委員会に申請し承認されたが、新型コロナウィルス感染症による病院業務の過多を理由に調査に入れない状況が続いたため、2022年度より心不全評価指標の見直しと研究方法の変更について検討を開始した。 2022年度は、携帯エコーを使用しての心不全評価指標の見直しを行い内頸静脈に着眼し文献レビューを行った。文献レビューの結果を以下に記載する。 ①内頸静脈の観察は、心不全増悪の診断として特異度90%以上とその有用性は高いが、肉眼での観察は経験と技術が必要となり難しいことが明らかとなった。②看護師による心不全患者の観察の実態調査は少ないが、その結果からは観察率は50~60%にとどまっていた。観察の難しさが影響しているのではないかと推察した。③内頸静脈の携帯エコーでの描出は下大静脈より簡便であることが明らかとなった。④内頸静脈をエコーで心不全評価している研究論文は国内では存在しないため、海外文献のレビューを行った。その結果、内頸静脈の解剖学的な位置や大きさ、内頸静脈の心不全評価には主に3つの方法が検討されていること、心不全評価指標としての精度については今後も検討が必要であることが明らかとなった。 以上のレビューを踏まえ、看護師の内頸静脈観察の実態調査、携帯エコーによる内頸静脈の観察方法(描出位置、体位)に関する調査を進めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2022年度は、研究内容の変更による倫理申請まで行う予定であったが、研究方法について研究メンバーとの合意に時間を要してきたことが、その予定に至らなかった理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
本科研の調査においては、研究フィールドとしてきた病院の調査を完全に断念し、2022年度に検討してきた研究方法を進めて行く。
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Causes of Carryover |
携帯エコーは2台分の予算申請しているが、研究調査が本格化していないため携帯エコーの購入が1台にとどまっていること、人件費や論文執筆費用が掛かっていないことが理由である。 2023年度の使用計画は以下の通りである。①携帯エコー購入(1台)980千円、②専門知識の提供 100千円、③調査研究補助 50千円、④関係論文投稿費用 400千円 ⑤学会・研修会参加 100千円
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