2021 Fiscal Year Research-status Report
小学生の足を守るための足トラブルの発生要因と予防対策に関する実証研究
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20K11060
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Research Institution | Saku University |
Principal Investigator |
坂江 千寿子 佐久大学, 看護学部, 教授 (40325915)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 足育 / 介入研究 / 小学生 / 上履き / 外反扁平足 |
Outline of Annual Research Achievements |
以下のように、2021年度の活動はほぼ予定通りに進められた。 1.健診チームは、COVID-19の流行のため健診の時期を遅らせ、2021年12月に実施した。1年生~6年生まで計292人のフットプリントを採取し、足部を観察した。フットプリントの判読結果等を全員にフィードバックしている。<課題>フットプリンタに低学年の場合足首からの光が入るため、足首カバーの素材を工夫してきたが、画像の誤差につながるため、改良が必要。2.児童モニターへの介入研究は、1名が卒業したため、8名を対象にインソールと上履き、下肢の筋力トレーニング等の3か月毎のフォローアップ中である。自宅での運動が習慣化されるよう、親子や子ども同士の自主トレーニングを推奨し、フォローアップ時に直接観察して達成賞を渡すなどの動機づけを工夫した。足底アーチ形成の順調な児童がいるが、中には先天的な靭帯の柔らかさなどの理由のためか変化が認めにくい児童がいることが明らかになってきた。<課題>サイズアウトの時期を観察し、フォローアップ時期以外でも足に合わない小さな上履きを履くことがないようにする。3.足育通信チームは、2021年1月に2020年度10月の保護者アンケート調査の結果を基に、第1回の足育通信を発行した。小学校長、養護教諭の寄稿の得て保護者や教職員向けに、正しい爪きりや足の運動などの情報を含む通信を3回発行した。 2年目の新しい試みとして、2021年(令和4)年3月14日(月)に、小学校で第1回「児童の足育を考える懇談会」を開催し、保護者から足の健診や足育通信などの活動に対しての意見交換会を実施した。さらに、信州公衆衛生学会での学会発表1編、小児保健協会学術集会で発表、投稿中である。子どもの足の爪トラブルは自分で爪切りをする時期から発生しやすいことが明らかになり、その情報を活かした保護者への情報提供を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
3チームでそれぞれの計画に基づき、活動や調査を継続した。 月に1回、科研連絡会議を開催し、3チームの進捗状況と懸案事項、予算執行についての情報を共有した。 その結果、3チームの活動に関係する協力校の養護教諭への連絡も、相互に調整し重複を避けつつ、学校側の負担が無いように配慮できた。保護者を交えた意見交換会も校長先生の協力があり実現し、地域に活動を広げるための端緒となった。 2年目の活動で途中段階で明らかになった結果を公表できたことも2年目の成果と言える。
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Strategy for Future Research Activity |
・3年目のまとめとして、これまでのデータの整理、得られた結果の公表の準備と同時に、今後の継続研究への方向性を決定する。科研への応募を進める。 ・足の健診で遮光が不十分な点や子どの体型には大きすぎるため、カバー改良ではなく、現在の大人用フットプリンターを基に、児童の足首、足長に合わせた小型(小児用)フットプリンターを新規製作し、小学校低学年児童以下のこどもの足の健診に活用していく。 ・佐久市の足育推進協議会担当者および小学校保護者・教員を交えて、外部よりの評価をうける。近隣の小学校への活動拡大を検討する。 ・各チームで3年間の評価を得るための調査を行うこと、チームごとの活動内容と得られた結果について公表していく。 ・地域での健康イベントを通して、子どもから大人までに範囲を広げ、足育活動を研究テーマに社会連携ができるようなプロジェクトを検討する。
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Causes of Carryover |
初年度に計画していた子ども用フットプリター作成については、COVID-19でイベント中止も多く、新規制作した機器の精度を図るためのデータ収集が見込めないことから、遮光カバーの改善にとどめて対応し、支出を抑えてきた。しかし遮光問題の改善も含めて、子どもの体型にあうフットプリンターの新規制作にとりかかる。足の健診及び健康イベントでデータ収集を見込んで、業者と連携して8月完成を目指す。 学会参加や研修会費用はリモートによる旅費等の削減があったためであり、3年目は、各チームの成果発表や3年間の研究成果広報の予算として使用する予定である。
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Research Products
(3 results)