2020 Fiscal Year Research-status Report
認知症の人とともに創る ICTを活用した認知症カフェネットワークの構築
Project/Area Number |
20K11062
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Research Institution | Kio University |
Principal Investigator |
島岡 昌代 畿央大学, 健康科学部, 特任助教 (30757696)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 尚美 (平木尚美) 畿央大学, 健康科学部, 教授 (10425093)
百瀬 由美子 愛知県立大学, 看護学部, 教授 (20262735)
安武 綾 熊本大学, 大学院生命科学研究部(保), 准教授 (40366464)
宮崎 誠 帝京大学, 理工学部, 助教 (60613065)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 認知症カフェネットワーク / オンライン認知症カフェ / コロナ禍 / 認知症カフェの取り組み |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、認知症カフェを総合的にサポートする「認知症の人とともに創るICTを活用した認知症カフェネットワークの構築」を目的とし、①ICTを活用して認知症カフェの情報共有ができる認知症カフェネットワークを創る、②実施した認知症カフェを自己評価・他者評価できる評価ツールをカフェネットワーク上に作成する、③認知症カフェに携わる“Orange Project”の大学生に対する人材育成プログラムをカフェネットワーク上に作成する、④評価ツールおよび人材育成プログラムを用いたカフェネットワークの運用を評価することを計画している。 2020年度は、認知症カフェネットワークの実態調査・システム構築を計画し、①国内の認知症カフェに関するインターネットサイトを検索し、実態調査を行った。また、インターネットサイト「なかまぁる」の“認知症カフェこれから会議”にも参加し、コロナ禍における認知症カフェの取り組みについても情報収集を行った。②認知症カフェの評価や認知症カフェスタッフに対する成長に関する文献の検索を行った。 認知症カフェの実施については、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため緊急事態宣言が発令され、3月以降は多くの認知症カフェが休止している状態であった。しかし、6月頃よりオンラインで認知症カフェを行うところが増え始め、現在はオンラインで認知症カフェを実施する以外にも、感染対策を行ったうえで再開する認知症カフェも増えている。また、“認知症カフェこれから会議”を通じて企画運営者のつながりもでき、オンラインでお互いの認知症カフェを繋ぐ取り組みも行われていた。このような認知症カフェの情報共有・つながりができる認知症カフェネットワークの構築は重要であり、コロナ禍でICTの活用が急速に普及してきた現在において、この研究を行うことはとても意義深い。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の予定では、2020年度は実態調査とシステム構築であった。実態調査は主にインターネットからの情報収集を行ったが、本来は実施している認知症カフェに直接出向いて認知症カフェスタッフに対し、カフェネットワークから得たい情報・発信したい内容について、認知症カフェ参加者に対しては、認知症カフェに希望することについてフォーカスグループ・インタビューを用いた質的調査を行う予定であった。しかし、コロナ禍で中止している認知症カフェが多く、直接認知症カフェに出向くことができなかった。カフェネットワークのシステムを設計する計画についても、2020年度はICTの活用が急速に普及し、移行期にあると判断したため、どのような形態がよいのかを見極める時期とした。そのため、予定よりもやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は、2020年度に実施できなかった認知症カフェスタッフ・参加者に対するフォーカスグループ・インタビューを用いた質的調査について、認知症カフェに直接出向いてインタビューするのではなく、①オンラインを使った個別でのインタビューに変更し実施する。そして、②認知症カフェスタッフや参加者に行った質的調査の結果や、文献検索した内容から自己評価・他者評価を行う認知症カフェ評価票案および認知症カフェ実施記録案を作成する。③認知症カフェ評価票案と実施記録案について、認知症カフェに精通した実践家および研究者と、認知症の当事者とともに内容妥当性を検討し、使用できる形式に整える。
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Causes of Carryover |
2020年度は新型コロナウイルスの感染拡大防止対策のため緊急事態宣言が発令され、参加を予定していた学会や会議などがWeb開催・中止となった。また、認知症カフェも中止・休止となったところが多く、予定していたインタビューも実施できない現状であった。そのため、予定していた支出が発生せず、次年度使用額が大幅に増加した。 2021年度も引き続き緊急事態宣言が発令されているが、パソコンやモニター,Wi-Fi,プリンターなどのAO機器を購入してインターネット環境を充実させ、オンラインを使って会議やインタビュー等を進めていく。また、認知症カフェネットワークのシステム作成費やSSLサーバー管理費等にも使用予定である。
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