2021 Fiscal Year Research-status Report
認知症の人とともに創る ICTを活用した認知症カフェネットワークの構築
Project/Area Number |
20K11062
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Research Institution | Kio University |
Principal Investigator |
島岡 昌代 畿央大学, 健康科学部, 研究員 (30757696)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 尚美 (平木尚美) 畿央大学, 健康科学部, 教授 (10425093)
百瀬 由美子 愛知県立大学, 看護学部, 教授 (20262735)
安武 綾 熊本大学, 大学院生命科学研究部(保), 准教授 (40366464)
宮崎 誠 帝京大学, 理工学部, 助教 (60613065)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 認知症カフェ / コロナ禍 / オンライン認知症カフェ / 認知症カフェの取り組み / 認知症カフェネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は前年度に引き続き、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が出され、多くの認知症カフェが休止している状態であった。そこで、コロナ禍での認知症カフェ実施の変化を把握し、企画運営者の現状と課題を明確にするため文献やインターネットを用いてコロナ禍におけるカフェの現状と運営者の課題を調査した。また、実施している認知症カフェ、休止中の認知症カフェそれぞれ1件ずつに訪問し、認知症カフェスタッフや参加者に対するフォーカスグループ・インタビューを行った。 文献やインターネットで検索した結果、条件付きで実施している認知症カフェを含めると56.4%が対面での認知症カフェを実施し、中止している認知症カフェは32.5%であった。オンラインで認知症カフェを実施していたのは2.1%で、終了したカフェが0.3%であった。厚生労働省のサイトでは認知症カフェ運営者向けに外出自粛時の認知症カフェ継続に向けた手引きが掲載されていたり、地方公共団体がオンラインカフェ実施支援で、セミナーの開催やサポート人材の派遣、補助金交付や機材貸与等を行っている事例も散見した。しかし、オンラインカフェ実施は少なく、その理由として、参加者・運営者の苦手意識や実施環境・人員・機材不足等の課題があった。また、オンラインカフェ実施の文献では、参加者の約9割が医療・福祉・介護関係者だったことから、運営者が認知症カフェの継続を模索している苦難が予想された。WITHコロナ時代で認知症カフェのあり方も多様化し,認知症カフェ単体での工夫や努力では限界がある。認知症カフェ運営に携わる誰もが利用できるICTを活用し、認知症カフェを総合的にサポートするシステムの構築を目指すこの研究はとても意義深い。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2021年度は、認知症カフェスタッフ・参加者に対するフォーカスグループ・インタビューを用いた質的調査を行い、質的調査の結果や、文献検索した内容から自己評価・他者評価を行い、認知症カフェ評価票案および認知症カフェ実施記録案を作成する予定であった。しかし、認知症カフェを実施しているところが少なく、日程を調整してインタビューを行うことがなかなか進まなかった。また、認知症カフェネットワークのシステムを設計する計画についても、2020年・2021年度にICTの活用が急速に普及したため、どのような形態がよいのかを見極める時期とした。そのため、予定よりも遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、①認知症カフェスタッフや参加者に行った質的調査の結果や、文献検索した内容から自己評価・他者評価を行う認知症カフェ評価票案および認知症カフェ実施記録案を作成する。②認知症カフェ評価票案と実施記録案について、認知症カフェに精通した実践家および研究者と、認知症の当事者とともに内容妥当性を検討し、使用できる形式に整える。また、③認知症カフェのシステム設計・構築を予定している。
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Causes of Carryover |
2020年度、2021年度はコロナ禍であり、参加予定であった学会や研修会等が中止やオンライン開催に変わることが多く、旅費等の経費が少なかった。また、インタビューやデータ収集等ができなかったため人件費・謝金の経費が次年度に繰り越しとなった。認知症カフェネットワークのシステム設計も、コロナ禍でICT活用状況が変化している状況であったため、次年度に行うこととし、システム管理費等も繰り越しとなった。 2022年度はコロナ禍も落ち着き、実施される認知症カフェも増えると予想されるため、人件費・謝金等が増加する。また、認知症カフェネットワークのシステム設計も開始するためシステム維持費・管理費等も増加する。
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Research Products
(1 results)