2021 Fiscal Year Research-status Report
災害時や在宅ケア用の下肢静脈塞栓症リスク自動評価ツールの開発
Project/Area Number |
20K11068
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
近藤 世範 新潟大学, 医歯学系, 教授 (10334658)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内山 美枝子 新潟大学, 医歯学系, 教授 (10444184)
吉村 宣彦 新潟大学, 医歯学総合病院, 准教授 (50303160) [Withdrawn]
堀井 陽祐 新潟大学, 医歯学総合病院, 准教授 (90464015)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ディープラーニング / エコーガイド / ROC解析 / AUC / 下肢静脈 / 血栓 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和3年度は、実験-2「下肢静脈エコー画像における静脈領域の自動抽出」と実験-5「下肢静脈エコー動画像から診断に適した断面画像の自動取得」に取り組むために、前年度に申請した倫理申請の承認後に、ボランティアを募り健常者の下肢静脈エコー画像取得を実施した。成人20名分の膝窩静脈のエコー動画像を携帯型エコー(シグマック社製ポケットエコーMiruco)と設置型エコー(コニカミノルタ社製SONIMAGE HS1)を用いてそれぞれ撮像した。エコー動画像をフレーム分割し、46,338 枚(携帯型エコー)と128,494 枚(設置型エコー)のエコー画像を獲得した。これらのエコー画像を対象画像として、実験-5を実施した。静脈の写り具合(診断に適している具合)によって、各画像をexcellent、average、poorの3 つに目視で分類し教師データとした。全対象画像を7:3 の割合で訓練データとテストデータに分割して、事前学習済みのディープラーニングモデルの1つであるResNet101に適用し訓練・分類を行った。分類精度を表すAUC(ROC曲線下面積)は、携帯型エコーと設置型エコーのどちらも0.9前後の良好な値を示した。これにより、DVT 診断に適した下肢静脈エコー断面像を自動取得できる可能性が示唆された。 実験-2については、教師データ(静脈領域の設定)を作成中であり、次年度において続けて実施する予定である。また、実験-3「下肢静脈エコー画像における正常静脈と血栓を伴う静脈の自動分類」および実験-4「血栓を伴う下肢静脈エコー画像からのDVT発症リスクの予測」を次年度実施するために、血栓を伴う下肢静脈エコー画像取得に向けて、倫理承認手続きを申請し承認を得た。承認後、30症例分の血栓を伴う下肢静脈エコー画像を収集し、実験-3と実験-4に向けて、データ整理・準備を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和3年度は、実験-2「下肢静脈エコー画像における静脈領域の自動抽出」と実験-5「下肢静脈エコー動画像から診断に適した断面画像の自動取得」を計画通りに実施した。ただし、実験-5については成果を得る段階まで実施できたが、実験-2については予想よりも教師データ作成に時間を要し成果を得る段階まで実施することができなかった。そのため「やや遅れている」と評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度は、実験-2「下肢静脈エコー画像における静脈領域の自動抽出」の引き続き実施する。また、血栓を伴う下肢静脈エコー画像の収集を進め、実験-3「下肢静脈エコー画像における正常静脈と血栓を伴う静脈の自動分類」および実験-4「血栓を伴う下肢静脈エコー画像からのDVT発症リスクの予測」を実施する予定である。
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Causes of Carryover |
研究実施(実験-2)に少し遅れが生じたため。令和4年度は、遅れた分を取り急ぎ実施する予定であり、次年度使用額は、必要な消耗品等に使用する計画である。
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