2020 Fiscal Year Research-status Report
認知症発症に関連する因子の検討ー特に栄養状態と体組成の観点からー
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20K11070
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
野垣 宏 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (10218290)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 高齢者 / 認知症 / 栄養状態 / 体組成 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究について、山口大学大学院医学系研究科保健学専攻医学系研究倫理審査委員会に倫理審査申請を行い、2020年7月30日付けで承認された。本研究の補助者である大学院生および山陽小野田市職員と十分な実施の打ち合わせを行ったうえで、10月より山陽小野田市が実施する特定健診の会場にて、研究計画書にもとづき124名(男性55名、女性69名)から以下のデータを収集した。 1)体組成測定:年齢、性別、身長、体組成計を用いた測定評価(体重、体脂肪率、脂肪量、筋肉量、体水分率、推定骨量、基礎代謝量、内臓脂肪レベル、Body Mass Index、標準体重、肥満度)。体組成計としてタニタDC-430Aを用いた。 2)栄養状況評価 ①栄養状態:簡易栄養状態評価表Mini Nutritional Assessment-Short Form(以下MNA-SF)。MNA-SFは、特に高齢者用に開発されたもので、高齢者特有の低栄養リスクの評価を組み込んでおり、地方在住の在宅高齢者の低栄養とフレイルとの関連の調査でも使用されている。②食習慣の実際:食物摂取頻度Food Frequency Questionnaire Based on Food Groups(以下FFQg)調査票。FFQg調査票は、食品群別に分けられた29の食品グループと10種類の調理法から構成され、1週間を単位に、食物摂取量と摂取頻度から、習慣的な食物摂取量および栄養素摂取量を推定できる。③食習慣に関する意識:FFQg食習慣アンケート。 3)身体機能評価:手段的日常生活動作能力検査、いわゆる老研式活動能力指標。4)フレイルの評価:イレブン・チェック(フレイル簡易チェック)。 5)認知機能評価:物忘れ相談プログラムMSP-1100(日本光電)。これはアルツハイマー型認知症を見つけるために最も重要な質問を用いた、タッチパネルパソコンとの対話方式によるセルフチェック型プログラムである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナ感染症感染拡大の影響で研究の遂行が危惧されたが、幸い大きな影響なく当初計画していた人数に近いデータを収集できた。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は2020年度に収集したデータを解析する。データ解析としては、物忘れ相談プログラムで得られた結果を用い、認知機能と関連のある項目、特に栄養状態と体組成に関する因子を抽出し、分析する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、健診会場でのデータ収集回数が減ったことで、出張旅費や消耗物品の消費が少なく、さらに打ち合わせをオンラインで実施したことにより出張旅費や消耗物品の消費が少なかった。次年度以降は、新型コロナウイルス感染症の状況にもよるが、学会出張や打ち合わせの回数を増してデータ解析等の研究推進を図る予定である。
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Research Products
(2 results)