2020 Fiscal Year Research-status Report
Effect of translating devices on nurses` cultural competence
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20K11076
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
柳澤 理子 愛知県立大学, 看護学部, 教授 (30310618)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉山 希美 愛知県立大学, 看護学部, 助教 (10527766)
横山 加奈 愛知県立大学, 看護学部, 講師 (20551683)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 自動翻訳機 / 外国人 / 文化能力 / 異文化看護 / 調査研究 / 介入研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、外国人患者のケアにおいて、言葉の障壁が低減した場合に、看護職の文化能力(cultural competency)がどの程度高まるか、言葉の問題とは独立して残される文化能力の領域、すなわち教育や研修が必要な文化能力の領域は何かを明らかにすることである。 近年、自動翻訳機の臨床現場への導入が進み、外国人患者との意思疎通が容易になる一方で、文化に配慮したケアは十分に発展していない。そこで、本研究は、全国の病院を対象に自動翻訳機導入や外国人患者受入れ体制等を調査し、外国人患者受入れ医療機関認証病院と非認証病院の実態を比較する。次に、自動翻訳機を病棟に導入し、看護職の文化能力に与える影響を明らかにする。その結果を踏まえ、自動翻訳機導入によって向上する文化能力と向上しない文化能力を特定し、看護師に対する文化に配慮した外国人ケアの研修プログラムを開発する。 令和2年度は、まず全国の病院を対象に自動翻訳機導入や外国人患者受入れ体制等を調査した。外国人居住者が10万人以上かつ外国人延べ宿泊者数が100万人以上の都道府県を選定し、一般病床を100床以上有する病院で承諾が得られた病院の①看護部長または外国人医療支援室担当者、②病棟(産科、整形外科、小児科、内科、外科)、救急部に勤務する看護師に対し質問紙調査を実施した。 看護部長・外国人医療支援室担当者に対しては、病床数、外国人患者受け入れ認証評価取得の有無、年間患者数、外国人患者数、国籍、入院科、医療通訳者・自動翻訳機の導入実態等を調査した。看護職に対しては、個人属性、異文化感受性、異文化コミュニケーション、文化看護能力、看護における社会的スキルを調査した。 902病院に調査を依頼し、承諾が得られた33病院の看護師を対象に1116部の質問紙を配布した。453人から回答が得られ、現在結果を分析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1年目に実態調査とその分析を終了予定であったが、病院が多忙を極めた新型コロナウイルス感染症流行の拡大時期を避け、一旦流行が下火になってから調査を実施したため、分析が完了しなかったが、必要なデータ収集を終えたことから、分析を継続している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、病院における介入研究および訪問看護ステーションを対象とした実態調査を実施していく予定であるが、どちらも新型コロナウイルス感染症により、業務負荷が著しく増加しているため、研究の進行が遅れる恐れがある。
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Causes of Carryover |
令和2年度に実態調査とその分析を実施するとともに、学会で成果の一部を発表する予定であったが、新型コロナウイルス感染症拡大により、病院の負荷を考慮して感染が落ち着くまで調査を見合わせた。このため、本年度は調査のみで、学会等への旅費を使用しなかった。また、調査を外部委託としたために、委託費が生じた。 研究の進捗がやや遅れているが、新型コロナウイルス感染症の状況をみながら、当初計画通り進める予定であるため、残額は次年度の学会参加、あるいは介入研究における翻訳機購入等に使用していく予定である。
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Research Products
(1 results)