2023 Fiscal Year Research-status Report
認知症高齢者への共感性を向上するための人型ロボットを活用した共同学習教材の開発
Project/Area Number |
20K11078
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
桝田 聖子 大阪公立大学, 大学院情報学研究科, 准教授 (10454729)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
真嶋 由貴恵 大阪公立大学, 大学院情報学研究科, 教授 (70285360)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 認知症 / 見守り / 声かけ |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,地域における高齢者の手助け事例を収集するために,S市の高齢者見守りネットワーク登録事業所交流会の参加者に対する自記式質問紙調査を行った.参加者35名,回収率は35件(100.0%)であった.質問項目は,「日頃の見守り活動」,「認知症の人の支援」,「認知症の人への支援内容」,「見守り活動をとおして良かったと思うこと」,「認知症の人の対応に困ったこと」,「認知症サポーター養成講座であると良い内容」,「認知症の人を含む高齢者の見守り活動をしていくために必要と感じていること」とした.「日頃の見守り活動」では,本人の様子(同じ話を繰り返す74.0%,身だしなみが乱れている60.0%, 歩く姿が危ない54.0%,薬の飲み忘れ46.6%,道に迷う40.0%)や生活の様子(時間や場所の感覚がない40.0%,大切なものを失くす37.0%)を観察していた.「認知症の人の支援」では,「挨拶・声かけ(こんにちは.何かお手伝いしましょうか)」が多かった.「見守り活動をとおして良かったと思うこと」は,「感謝された.喜ばれた」4件,「地域の人とつながりができた」3件,「命が助かった」2件であった.「認知症の人の対応に困ったこと」は,会話が成り立たない・感情的」7件,「本人が保護を求めない」4件,「何度も連絡がくる」2件であった.「認知症サポーター養成講座であると良い内容」では,「具体的な声かけや対応の失敗事例・成功事例」,「認知症の人の話や家族の話」,「活用の場」,「親子で参加」,「Pepperとのワーク」などの意見が聞かれた.「認知症の人を含む高齢者の見守り活動をしていくために必要と感じていること」では,「啓発(認知症サポーター養成講座受講,地域の理解や意識づけ),「つながり(交流機会を作る,ICTの活用)」などであった.今後,小学生向け教材に本調査結果を盛り込んでいく予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
小学校からの要望がなく,小学生向け認知症サポーター養成講座ができなかった.次年度は,地域包括支援センター担当者等と小学校以外でも認知症啓発教育の機会を検討する.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は,①小学生向け認知症啓発教材のアップデート,②小学生への認知症啓発教育を計画する.①に関しては,地域高齢者見守りネットワーク登録事業者交流会における質問紙調査結果から,小学生が「高齢者の状態に合わせた声かけができる」,「困った高齢者を見かけたら近くの「高齢者見守りネットワーク登録事業所に知らせることができる」ためにスライド教材とロボット教材をアップデートする.②に関しては,地域行事等で小学生向け認知症啓発教育の場を設定できるよう,社会福祉協議会,基幹型地域包括支援センター,地域包括支援センターと検討する.
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Causes of Carryover |
次年度は,昨年度の地域高齢者見守りネットワーク登録事業所交流会で行った磁器質質問紙調査の結果を学会発表,投稿するための費用として計上する.また,教材としてChatBotを搭載した会話型AIロボットの購入費用として計上する.
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