2020 Fiscal Year Research-status Report
ワークファミリーバランスを高める保育と地域・職域保健の連携・支援システムの開発
Project/Area Number |
20K11088
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Research Institution | Kyoto Tachibana University |
Principal Investigator |
下田 優子 京都橘大学, 看護学部, 助教F (20845979)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 宣子 関西国際大学, 保健医療学部, 教授 (10157323)
石井 美由紀 京都橘大学, 看護学部, 准教授 (40437447)
本田 順子 兵庫県立大学, 看護学部, 准教授 (50585057)
黒瀧 安紀子 京都橘大学, 看護学部, 専任講師 (70593630)
清水 彩 京都橘大学, 看護学部, 准教授 (90552430)
堀 裕一 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (80248004)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 保健師 / ワーク・ファミリー・バランス / 養育家庭 / 支援システム / 連携 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は研究の第1段階にあたる保育と地域・職域保健における養育家庭の支援と連携に関する実態調査から有効なサポート方法の開発を行う予定であった。COVID-19の感染拡大のため、フォーカスグループインタビューから個別インタビューによる実態調査へと計画変更を行い、研究倫理委員会の承認を得た。現在K市保健センターの保健医療職へのインタビュー調査の内諾を得て、調査日程の調整を行っている。COVID-19の感染再拡大による度重なる緊急事態宣言の発令で調整が難航しているが、日程調整が進み次第、調査を実施していく。 実態調査の開始に先立ち、先行研究から子育て期の親のワークファミリーバランスに関する知見の整理と支援方法の検討を行った。医中誌web版とCiNiiを用いて「ワークライフバランス」「ワークファミリーバランス」「子育て」「親」をキーワードとして2010年から2020年6月までの最新の11年間の国内文献18編を精読し、子育て期の親のワークライフバランス/ワークファミリーバランス(WLB/WFB)の促進要因と阻害要因を「仕事」「家庭」「コミュニティ」領域ごとに分類した。結果、子育て期の親のWLB/WFBの向上には、「仕事」領域では、人的環境も含めた職場の資源の有無や、キャリア継続が可能かどうか、「家庭」領域では、仕事と育児・家事の生活戦略がうまくいくか、「コミュニティ」領域では、生活面での資源の不足を補えるか、支援体制を組めるか、が影響していると考えられた。保健師の支援では、親のWLB/WFBへの思いに耳を傾けること、今ある資源や活用できる手段を一緒に考えること、“両立モデル”や親同士の出会いの場を提供すること、継続的支援を行っていくことの重要性が示唆された。上記の結果と実施予定の実態調査を踏まえサポート方法の開発を行っていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19の感染拡大により、フォーカスグループインタビューから個別インタビューへと計画変更した。研究倫理委員会より再承認を得て、現在K市保健センターの保健医療職より調査の内諾を得ているが、COVID-19の感染再拡大による現場の状況と度重なる緊急事態宣言により、調査日程の調整に難航している。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度に実施予定であった研究の第1段階にあたる実態調査、有効なサポート方法の開発の遅れを取り戻し、サポート方法の有効性の検証および保育と地域・職域保健の連携による支援システムの試作を行う。具体的には、研究Fで保育園に通園中の乳幼児の親に、開発したサポート方法を試行する。その前後のアンケートで記載内容やワークファミリーコンフリクト(以下「WFC」)尺度の合計点、項目ごとの点数の推移を分析する。また保育士と、地域・職域保健に従事する保健医療職に、開発したサポート方法を試行した効果と課題についてのアンケートを実施し、サポート方法の有効性を検証する。研究Gでは、研究Fの検証結果で効果のあったサポート方法を抽出する。保育園、地域・職域保健に従事する専門職の協力者と、研究者の検討会により、保育と地域・職域保健の連携による支援システムを開発することを目指す。 今後もCOVID-19の感染拡大の影響が続くことが予想されるため、感染防止に努め、一部インタビューから、アンケートやwebを用いた調査へ変更するなど、実行可能な研究方法を模索し実施していく予定である。
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Causes of Carryover |
COVID-19の感染拡大の影響で、調査の遅れが生じ、謝金や結果分析で用いる物品の購入費、移動のために計上していた旅費等が未使用となった。また、遠方の学会参加にかかる諸費用も、web開催となったことから未使用となり、次年度使用額が生じることとなった。 2021年度はCOVID-19の感染状況を考慮しながら、実行可能な方法で調査を進める予定で、結果分析のための物品購入、謝金等に使用していく計画である。
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Research Products
(1 results)