2021 Fiscal Year Research-status Report
要支援・軽度要介護高齢者の口腔機能・栄養状態に関する研究
Project/Area Number |
20K11094
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
永田 美奈加 秋田大学, 医学系研究科, 講師 (10461716)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 圭子 秋田大学, 医学系研究科, 教授 (10341736)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 口腔機能 / 栄養状態 / 要支援・軽度要介護高齢者 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は要支援・軽度要介護高齢者の口腔機能・栄養状態とメンタルヘルスとの関連を明らかにし、口腔機能維持・向上のための支援への示唆を得ることである。 A県ケアハウス・有料老人ホーム入居者及び地域在住高齢者計106名を対象に口腔機能・栄養状態の調査を実施した。口腔機能は舌圧、反復唾液嚥下テスト(RSST)、オーラルディアドコキネシス(ODK)を測定した。栄養状態は簡易栄養状態評価表、メンタルヘルスは老年期うつ病評価尺度(GDS15)で評価した。他に口腔健康への関心、1年以内の歯科受診の有無、機能的自立度評価(FIM)、介護度、認知症重症度分類(CDR)等を本人・職員より聞き取りを行った。対象の約6割が低舌圧、約7割が低栄養リスク・低栄養に該当し、うつ傾向該当は約3割であった。舌圧・RSST・ODKすべてに関連していたのは、年齢、介護度、GDS、FIM、1年以内の歯科受診の有無であった。また、ODK・舌圧とCDR、RSST・ODKと口腔への関心の有無においても関連がみられた。これまで自立高齢者の口腔機能と抑うつとの関連の報告があるが、本研究において要支援・軽度要介護を含む高齢者の口腔機能とメンタルヘルスの関連が示唆された。栄養状態及び介護度別の特徴について分析を進める必要がある。 高齢者の口腔機能には若年期からの生活習慣や口腔機能管理も影響を与えると考えられている。そこで若年女性の生活習慣と口腔機能、口腔内環境として口腔内湿潤度、握力の関連を調査・分析した。運動部への所属期間が 4 年以上の者に口腔運動機能が高かった。欠食のない者、野菜・果物を摂取する頻度が高い者、歯磨きの回数が 1 日 3 回の者は握力が高かった。筋力を維持することで将来的な咀嚼能力や咬合力を維持できる可能性もある。青年期における生活習慣の将来的な口腔機能への影響についてさらなる検証が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルス感染拡大により調査を見合わせざるを得ない時期もあったが、調査を再開することができた。調査結果の分析を行い、一部を公表した。
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Strategy for Future Research Activity |
要支援・軽度要介護高齢者における調査結果について、特に栄養状態や介護度別の特徴に焦点をあてた分析を進めると共に結果を報告する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染拡大に伴う影響により人件費の支出がなかった。アルバイト依頼を予定していたが感染防止対策のため研究者一人で調査を実施した。また、データ入力について研究者自身で行ったことから支出額が少なくなった。学会等の旅費を計上していたが、オンライン開催になり使用額が少なくなったことから次年度使用が生じた。次年度は調査結果の分析と論文投稿費に使用することを計画している。
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Research Products
(2 results)