2020 Fiscal Year Research-status Report
行政保健師の家族支援実践力を高める教育プログラムの開発
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20K11103
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Research Institution | Kanagawa University of Human Services |
Principal Investigator |
松坂 由香里 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 准教授 (70346021)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 行政保健師 / 家族支援 / 実践力 / 教育プログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
行政保健師は、社会の要請や生活実態の変化に対応し、地域のさまざまな健康問題の解決に力を尽くし、家族を支援している。行政における保健師の家族支援は、地域保健活動の基盤となるものである。そこで、本研究は、行政保健師の家族支援に関する実態を明らかにし、その実践力を高める教育プログラムの開発を目的とする。地域保健活動の中でも家族を支援する機会が多い母子保健(親子保健)および高齢者保健・福祉分野の保健師の家族支援に関する実態把握・分析を行い、学習・教育のあり方を具体的に提示することを計画している。 2020年度は、母子保健分野に勤務する保健師の家族支援実践力の実態について、本研究に先行して実施した質問紙調査のデータを活用し、再分析を行った。なお、家族支援実践力は、研究者が開発した「行政保健師の家族支援実践力尺度」の7因子78項目を用いた。家族支援実践力は、母子保健業務などの保健師としての経験、学習経験や自身の意欲・取り組み等の個人要因、職場の環境・サポート体制が関連していた。 母子保健分野に勤務する保健師は経験年数5年未満および10年未満の新任期・中堅期にあたる者が多く、特に経験年数5年未満の保健師に対する実践力の習得・向上のための学習・教育体制を検討する必要性が確認できた。 一方、経験年数にかかわらず、家族支援実践力尺度の7因子のうち、「地区活動をベースにした家族支援」が他の実践力に比べて、低い現状であった。そこで、地区活動に関して、母子保健分野に勤務する保健師を対象としたインタビュー調査を追加した。インタビュー調査の結果から、地区活動を進める上での困難、職場のサポート体制の重要性が抽出された。また、保健師は地区活動を行うための工夫や基盤づくりを心がけており、「問題を抱える家族への地域の支援体制を整える」視点をもち、実践していることが把握できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度は、本研究に先行して実施した母子保健分野の行政保健師を対象とした質問紙調査データの再分析および追加の分析を行い、「地区活動をベースにした家族支援」の強化が不可欠であると考えた。そのため、地区活動における家族支援の実態把握と実践力向上への示唆を得るためのインタビュー調査を追加した。 しかし、インタビュー対象である保健師が、新型コロナウィルス感染症への対応や業務のため、予定していた調査が中止もしくは延期となり、調査の進行に遅れが生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は、前年度までに実施した母子保健分野に勤務する保健師の「地区活動をベースにした家族支援」のインタビュー調査の分析をさらに進め、現状を明らかにする。 また、そのインタビュー調査と質問紙調査の分析結果を整理し、母子保健分野における保健師の家族支援実践力の実態から、学習・教育のあり方について検討する。これらの内容を活用し、次に計画している調査を推進していく予定である。 具体的には、高齢者保健・福祉分野に勤務する保健師の家族支援とその関連要因を明らかにするための実態調査である。母子保健分野における保健師の家族支援の現状をベースに、個人要因や職場環境は、高齢者保健・福祉分野の実情に合わせて、質問紙を作成し、調査を行うことを計画している。
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Causes of Carryover |
予定していた研究会議やインタビュー調査の中止・延期により、これに伴う旅費やデータ入力作業等の人件費・謝金等が繰り越しとなった。 2021年度の研究を推進するための会議等の旅費、計画している調査に関する準備およびデータ入力作業の委託等へ当初予算に2020年度の繰り越し分を加えて、研究を進める予定である。
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