2020 Fiscal Year Research-status Report
急性期病院における認知症看護実践に関する組織風土尺度の開発
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20K11105
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Research Institution | Yamanashi Prefectural University |
Principal Investigator |
小山 尚美 山梨県立大学, 看護学部, 准教授 (80405117)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 裕子 山梨県立大学, 看護学部, 教授 (40279906)
流石 ゆり子 山梨県立大学, 看護学部, 副学長 (70279892)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 認知症看護実践 / 急性期病院 / 組織風土 / 尺度 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度は、まず、本尺度について、どういった対象が、どのような場で活用できるのかを吟味し、「急性期病院」および「認知症看護実践」の定義について検討を行った。 「急性期病院」について先行研究を整理すると、「一般病院および特定機能病院で入院基本料の看護配置基準 7 対 1 または 10 対 1 を取得している病院」など、診療報酬上の入院基本料の区分を用いた定義が散見された。しかし、医療制度は時代によって変化していく可能性があり、より多くの場で活用できる尺度とするためには「急性期病院」の定義を狭い範囲で設定することは避ける必要がある。したがって、本研究では診療報酬上の入院区分は用いず、急性期医療を提供する場、かつ、認知症治療を専門とはしない場という点を明確にできるよう定義を検討した。 「認知症看護実践」については先行研究を整理し、認知症高齢者への直接的な看護だけでなく、認知症看護を推進するためのチーム内での活動を含む定義を検討した。 次に、認知症看護実践に関する組織風土の概念を明らかにするため、国内外の文献収集・整理・検討を行った。「組織風土」に関する尺度を整理すると、一般的な組織風土だけでなく、病院組織に焦点をあてた多次元の組織風土尺度の他、安全風土・メンタルヘルス風土・手指衛生に関する組織風土など組織風土の一側面を捉えた尺度も存在していた。組織風土測定は、多次元もしくは一側面のアプローチのどちらも研究における有効な基盤と価値づけられ、どちらのアプローチが好まれるかは、研究目的に大きく依存するとされている。本研究では「急性期病院における認知症看護実践」という一側面の組織風土測定を目指しており、これに向けて、今後は構成概念の検討をしていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
急性期病院に勤務する看護師が捉える「認知症看護実践に関する組織風土」についてインタビュー調査を行う予定であったが、尺度にかかわる用語の定義・構成概念の整理のための文献収集・文献検討に時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
急性期病院における認知症看護実践に関する組織風土尺度開発に向け、「組織風土」の概念構成を整理していく。 また、急性期病院に勤務する看護師が捉える「認知症看護実践に関する組織風土」の概念および構成要素についてインタビュー調査を行い、質的帰納的に分析し、さらなる構成概念の検討を実施する予定である。
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Causes of Carryover |
インタビュー調査を実施する予定であったが、今年度は構成概念の検討を丁寧に行うことを優先した。したがって、インタビュー調査に関わる経費は執行しなかった。
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