2021 Fiscal Year Research-status Report
療養生活支援における訪問看護師の観察力を視線運動解析を用いて可視化する研究
Project/Area Number |
20K11116
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Research Institution | Meiji University of Integrative Medicine |
Principal Investigator |
田中 小百合 明治国際医療大学, 看護学部, 教授 (80324573)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河原 照子 明治国際医療大学, 看護学部, 講師 (20739370)
松岡 みどり 明治国際医療大学, 看護学部, 講師 (60739382) [Withdrawn]
渡邉 康晴 明治国際医療大学, 基礎教養講座, 准教授 (90454537)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 訪問看護師 / 観察力 / 視線運動 / 病院看護師 / 比較 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は訪問看護師の観察力の特性を明らかにすることを目的とし、在宅療養生活の市販動画をみているときの視線の動きを視線運動解析ソフトを用いて分析するものである。調査は訪問看護師と病院看護師に行い、両群の比較を実施する。 令和3年度は、 1)所属大学のヒト研究審査委員会の承認を得たのち、観察対象として選択した市販動画の販売元に使用許可を取った。 2)調査環境の見直しを行い、保健師教員と看護師教員の2名を対象にプレ調査を実施した。 3)本調査では訪問看護ステーション勤務の看護師14名(訪問看護師歴平均7.42年)と、病院勤務の看護師17名(看護師歴23.0年)を対象にデータ収集を実施した。収集したデータは、①基礎データ:病院での看護経験年数、訪問看護師としての経験年数、②客観的観察内容:ゴーグルタイプの測定装置を用いて眼球運動を計測、③主観的観察内容:眼球運動測定後、観察したことについてインタビューした内容。インタビュー内容は被験者の同意を得てICレコーダーに録音した。なお、①③は感染防止の点から被験者による自由記述は避けて、全て口頭でのデータ収集とした。また1日1名、もしくは1名終了ごとに機器の消毒をするなど本学の「ヒトを対象とした研究の実施に対するガイドライン」に準じて実施した。 4)現在、インタビュー内容を逐語録におこし、分析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
看護学実習や授業が無い時期を選択して調査を実施する予定であったが、新型コロナウィルス感染症の流行の影響により、年度後半に調査を実施した。データ収集は完了したが、分析にやや遅れがみられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は以下の2点を推進していく。 1)訪問看護師14名と、病院勤務の看護師17名から収集したデータの分析を行う。 ①インタビューの内容は客観性の保持と恣意性の排除の視点からテキストマイニング手法を用いて分析する。 ②視線運動のデータは、注視点、平均注視時間、領域別注視時間を測定指標とし解析する。注視点は被験者が対象物を観察するのに注意を向けた回数、0.165sec以上継続して見た点とし、平均注視時間は被験者が対象物を見る際に1回の注視に要する平均時間とする。領域別注視時間は特定の画面を療養者、家族、訪問看護師、生活環境に細分化して、領域別に注視時間を合計したものとする。訪問看護師と病棟看護師の2群に分けた測定データは対応のないt検定を用いて分析する。 2)学会発表、論文作成を行う。
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Causes of Carryover |
視線運動測定用具(あご台)の購入によって、統計ソフトを購入するための使用金額に不足分が生じたため、次年度の交付金額と併せて購入する予定である。
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