2022 Fiscal Year Research-status Report
中堅訪問看護師育成のための家族支援能力向上プログラムの開発と有効性の検討
Project/Area Number |
20K11137
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
菱田 一恵 順天堂大学, 医療看護学部, 准教授 (00326117)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野崎 真奈美 順天堂大学, 医療看護学部, 教授 (70276658)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 中堅訪問看護師 / 家族支援 / 教育プログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、訪問看護師としての活躍の仕方を左右する分岐点である一人前訪問看護師から中堅訪問看護師への育成に焦点をあて、中堅訪問看護師のための家族支援能力向上プログラムを開発することを目指している。 2022年度は、①家族との信頼関係の構築、②家族への対応、③家族にかかわる判断、④療養者本人・家族の作り上げる生活の尊重、⑤療養者本人と家族それぞれの思いの尊重と配慮、⑥家族への働きかけ、⑦家族との協働、⑧訪問看護の面白さ・やりがいの実感、の中堅訪問看護師に必要とされる家族支援能力のコンピテンシーを獲得するためのルーブリックから、プログラム設計、教材作成を実施した。 これまでの過程の一部である、「訪問看護師を対象とした家族支援教育プログラムに関する文献検討」についても、日本地域看護学会第25回学術集会で発表した。 また、日本家族看護学会において家族支援専門看護師が中心となって作成していた「家族看護実践力を伸ばす研修計画立案に役立つ教育ツール」【現任教育版】が完成し、2022年度に初版が発行された。この教育ツールと本研究のプログラムの基盤となるコンピテンシーの①家族との信頼関係の構築、②家族への対応、③家族にかかわる判断、⑤療養者本人と家族それぞれの思いの尊重と配慮、⑥家族への働きかけ、は内容が重なっており、家族看護の基盤となる内容であると考えられた。コンピテンシーの④療養者本人・家族の作り上げる生活の尊重、⑦家族との協働、⑧訪問看護の面白さ・やりがいの実感は、「家族看護実践力を伸ばす研修」内容には含まれておらず、療養者の自宅で家族とも直接かかわる訪問看護独自の内容とがあることが確認された。 西欧の家族システム看護 Family systems nursing (FSN)の学習介入に関する先駆的な研究も参考にして、日本の訪問看護の現状に合った形態でプログラム実施を進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
3年目であった2022年度の計画は、訪問看護師の労働環境の特性等からモバイル型パソコンを活用したICT教材を、特に小規模事業所で訪問看護に従事している中堅訪問看護師を対象に実施する予定であった。しかし、新型コロナウィルスの影響による授業内容・形態等の変更や、所属分野内職員が不足した状況が続いており、研究に十分な時間をとることができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究を進めていく過程で、日本家族看護学会において「家族看護実践力を伸ばす研修計画立案に役立つ教育ツール」【現任版】が発行されたり、西欧において家族システム看護 Family systems nursing (FSN)のWebベース学習に関する研究がさらに年進められており、家族看護の教育に関する状況は日々変化している。日本における訪問看護の状況も超高齢社会を迎え年々変化しており、現時点でのわが国の特に小規模事業所で訪問看護に従事している中堅訪問看護師を対象とした、プログラムの有用性を検証していきたいと考えている。
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Causes of Carryover |
2022年度はICT教材を完成させ、複数の小規模事業所に専用パソコンを貸し出し、ICT教材をを貸し出すことを想定していた。研究を進める段階で、Youtubeに教材を掲載して指定者にだけ視聴を許可する形態をとることで、スマートフォンや訪問看護用モバイル等でも教材を視聴できることから、ICT教材を貸し出し方法をYoutubeを利用する方法に変更した。したがって、小規模事業所用の複数の専用パソコンを準備する必要がなくなったこと、研究の進行が遅れていること等が、次年度使用額が生じた理由である。 2023年度は、ICT教材を見直し、アプリや動画作成の技術のある研究分担者の協力によってより使いやすいものにするため、①高機能パソコンの購入費用、②プログラム参加希望者募集のための通信費、③学会発表時の参加費・交通費等が必要であると考えている。
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Research Products
(1 results)