2020 Fiscal Year Research-status Report
How can Nursing Universities play a role in catastrophic flood disasters - A Study for Construction of a Regional Collaboration Practice Model -
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20K11145
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Research Institution | Baika Women's University |
Principal Investigator |
國松 秀美 梅花女子大学, 看護保健学部, 講師 (30771860)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西田 真寿美 四天王寺大学, 看護学部, 教授 (70128065)
堀内 美由紀 奈良学園大学, 保健医療学部, 教授 (60453148)
宮本 純子 姫路大学, 看護学部, 准教授 (70794288)
増野 園惠 兵庫県立大学, 地域ケア開発研究所, 教授 (10316052)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 看護系大学 / 災害 / 災害支援 / 学生ボランティア / 社会的役割 / 教員役割 / 地域連携 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究にあたり、看護系大学への質問紙調査や大洪水被災地にある看護系大学へのインタビュー調査の調査内容を確定するため、看護系大学が災害支援を行った現状、学生ボランティアの派遣の現状、看護系大学の社会的役割、看護系大学教員の役割等に分類し、文献検討を行った。 看護系大学は、阪神・淡路大震災、東日本大震災、鳥取地震などの地震災害において支援を行っていたが、豪雨災害における支援に対する論文は少なかった。今後は看護系大学の所在地域で発生する、災害への支援体制の構築が必要であることが明らかとなった。また、看護系大学は、過去の大規模災害において学生ボランティアを派遣している。特に東日本大震災においては宮城県や岩手県に所在する看護系大学は、10年が経過した今でも長期的な学生ボランティア派遣を行い、地域を支えている現状がある。全国の看護系大学が所在する地域は、平時から地域と連携できるシステムを構築することで、有事には中長期的な支援が継続可能であることが明らかとなった。 さらに、看護系大学が地域社会に向けて取り組んでいる内容としては、公開講座、地域の高齢者支援や母子支援、地域住民の健康を守るなどの役割から、まちの保健室などがあった。実施方法は、所属する自治体と連携し事業として実施している事項や大学が行政に呼び掛けて実施している事項があった。看護系大学が在住する地域の期待は、住民の健康維持・増進支援、地域で住民の健康づくりに貢献できる専門職の育成、関係機関との連携による住民の安全と安心を支える活動、子育て支援など、必ずしも疾病に関連したものばかりでなく,身近な場所での個々の具体的なニーズに合わせた援助を求めていた。 これらの内容から質問紙調査項目ならびにインタビューガイドを作成への基礎資料とした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
災害に関する研究対象となる機関は、COVID-19の感染症対策を実施している機関と同等機関である。調査対象となる看護系大学、県保健所、市町村保健所、社会福祉協議会、NGOボランティア団体は、COVID-19感染対策および感染者の対応、大学におけるオンライン授業への対応に尽力いただいており、調査依頼するタイミングを計っていたが、感染者が減少しないことなどを鑑みて、調査を依頼する時期ではないと判断し令和2年の調査を見合わせることとした。 本来であれば、令和3年にはモデル構築のために、看護系大学ならびに関係自治体や団体等へ働きかけを行いディスカッションを行う予定であったが、COVID-19感染拡大が続いており、令和3年に令和2年の調査を実施し、COVID-19感染対策を考えたモデル構築方法を再検討し対応していく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
COVID-19感染拡大が長期化することが見込まれる。調査に出向くことができないためオンラインによるインタビュー調査やフォーカスグループインタビューに計画を変更する予定である。 質問紙調査についても、回収率が上がるように送付前段階の対策を講じていく。 また、研究分担者とのミーティングも対面が難しく、調査結果の分析等の方法についても、オンライン上にて共有ファイル等を作成するなど、実施方法の一部変更を行い、検討する。 令和3年は、基礎調査を終了し、モデル構築地域を決定する。また、保健所関係や各種団体への調査はCOVID-19感染拡大やワクチン接種状況を見ながら行う必要があるため、看護系大学を中心に研究を進め、令和4年には、ワクチン接種も終了し、COVID-19感染対策に対しても一定成果が得られる可能性が高いと考え、保健所等の団体への調査を行う方向で進めたい。
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Causes of Carryover |
COVID-19感染拡大により、調査に出向くことや学会が開催されなかったため人件費、謝金、旅費を使用することがなかった。また、今後インタビュー調査の方法を再考する必要があり、ICレコーダーの購入を見合わせたことなどから、余剰分を次年度へ繰り越しした。 次年度は、調査を郵送調査、オンラインによる調査を行い、旅費費用を減額し、郵送費用や通信費を増額する。また、研究者間の連携が取れない現状が続くため、調査結果入力など外部委託費用を増額する。
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