2020 Fiscal Year Research-status Report
同種造血細胞移植の再発率低下を目指したリハビリテーション法の確立
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20K11153
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
柴崎 康彦 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (50568540)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森下 慎一郎 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 准教授 (60635077)
増子 正義 新潟大学, 医歯学総合病院, 准教授 (70397115)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 同種造血細胞移植 / リハビリテーション / 腫瘍免疫動態 |
Outline of Annual Research Achievements |
同種造血細胞移植後の腫瘍免疫動態を評価するにあたり、本年度はHLA半合致移植患者を対象として、マルチカラーフローサイトメトリー法を併用し、同種造血細胞移植後30日前後の免疫動態について評価を行った。近年、HLA半合致移植症例が急速に増加している。HLA半合致移植は、HLA一致の移植に比べ強い免疫反応が起きるため、移植の免疫動態がダイナミックに変動する可能性があり、腫瘍免疫動態を評価するうえで重要な知見が得られると考えられている。ATG法は抗Tリンパ球抗体を用いてレシピエントとドナー両方のTリンパ球を非選択的に傷害しGVHDを予防する一方、PTCY法は移植後にシクロフォスファミドを投与することで同種抗原などに反応したTリンパ球を選択的に傷害し、GVHDを予防するが、移植後免疫動態が実際にどのように異なるかについては知られていなかった。 今回の我々の解析において、末梢血中の細胞障害性T細胞数はATG群では症例毎に大きな幅があり、免疫回復状態の症例差が大きいことが明らかとなった。これにより、至適なATG量は個々の症例で異なり、適切な投与量を個別に調整する必要があることが判明した。 また、移植後のCD8陽性CM細胞比率は、PTCY群で優位に高かった。PTCYにより傷害されるT細胞は細胞周期に入っている細胞が主体であるため、ナイーブT細胞も含め比較的dormantな細胞が選択的に残存していると考えられる。腫瘍免疫細胞が移植前に細胞周期に入っている場合はPTCYにより傷害されるが、一方で腫瘍免疫細胞がナイーブT細胞分画にも存在する場合は移植後にも十分な腫瘍免疫が働くと考えられる。 今後も、それぞれの腫瘍免疫動態をより詳しく評価を行うことで、移植成績との関連を明らかにしていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19の流行に伴い、患者受け入れを行っていることなどから、リハビリテーションの介入が中断された影響もあり、現時点で進捗がやや遅れている。 入院リハビリテーションは、病棟の異なる様々な患者が一堂に会するリハビリテーションセンターで実施されているため、特に免疫不全の患者に対するリハビリテーションは十分に行うことができていない。 一方で、腫瘍免疫動態の検査については一定の症例蓄積を積んでおり、また、これまでの症例においては後方視的な解析を行うなど、比較的順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
リハビリテーション介入については、今後の院内でのリハビリテーション稼働状況に左右されるため、原則としてリハビリテーション介入の有無にかかわらず全例で骨格筋の変化量の評価を行ったうえで、アンケート調査による運動量の把握を行うことも検討する。 現在ATG群、PTCY群それぞれにおいて、移植前、移植後の筋肉量の変化が免疫動態に与える影響、移植成績に与える影響について研究を進めている。その後引き続いて移植全症例についても研究を行う。 マルチカラーフローサイトメトリーを用いた細胞障害活性の評価については、引き続き症例数を積み重ねていく。現時点では明確な細胞障害活性を有する症例を得らえていないが、症例数が少ないためと考えられる。今後も適切な症例が認められた時点で、MLPC法によるWT1遺伝子特異的CTLを検出を行い、リハビリテーションおよび骨格筋量との関連を明らかにしていく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染の蔓延に伴う、リハビリテーション介入計画に遅れが生じたこと、主要な学会参加のための旅費が未使用であったため。 次年度使用額については、適切な研究体制を維持するためのwebミーティング環境の整備や、文献等の購入費に充てる予定である。
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Research Products
(1 results)