2021 Fiscal Year Research-status Report
体性感覚弁別訓練が関連脳領域の神経可塑に与える影響の検討
Project/Area Number |
20K11154
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
上村 純一 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 准教授 (70467322)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 体性感覚 / 脳磁計 / 神経可塑 / 固有感覚 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和3年度は新型コロナウイルス感染症の感染予防の観点から慎重な対応が必要であり、実質的なデータ測定ができなかった。そのため、既存データベース(Human Connectome Projects)を用いて随意的な運動に伴う求心性入力に応答する脳反応に関して検討を行った。 健常成人27名(女性13、22-25歳:7名、26-30歳:11名、31-35歳:9名、)を解析対象とした。視覚キューに同期した母指-示指タッピングに伴う脳磁計測データを用いた。手指筋群から得た筋電波形の立ち上がりを起点に、チャンネルデータおよびソースデータ解析を行った。結果、筋出力後、約100 ms後に、ベースラインと比べて有意な脳磁場成分を確認した。また、活動脳領域は、運動肢対側の運動前野、運動野、1次・2次感覚野を含む領域であった。時間周波数解析の結果、alpha~gamma帯域の広い帯域で、有意に低いパワー値を示した。随意的な運動に伴う求心性入力に応答する脳反応について、その時間、空間、周波数特性を明らかにできた。本解析で明らかになった脳磁場成分は、関節運動による末梢の筋、関節、皮膚からの運動感覚情報(固有感覚情報)であることが考えられる。本結果は、感覚弁別課題のうち、固有感覚弁別課題の神経可塑に与える影響の検討において、今後の研究計画に繋がるものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の感染予防の観点から慎重な対応が必要であり、実質的なデータ測定ができなかった。それにより研究の進捗は遅れている状況である。そのため、既存データベースを用いた検討を行った。既存データを用いた検討ではあるが、本研究課題に活用が期待できる運動感覚(固有感覚)について、基礎的な検討が実施できた。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス感染症の感染予防に留意しつつ、実験を進めて行く。まずは固有感覚弁別課題遂行による即時的な脳機能変化を検討していく。
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Causes of Carryover |
令和3年度はコロナ感染症に対する対策が必要であり、実質的な測定が実施できなかったため、物品購入費、機器使用料などが必要とならなかった。また、必要な機器を発注しているが、コロナによる影響で未だ納品されていない。令和4年度は、既発注の機器の購入、ならびに実験遂行に伴う必要経費を支出する研究遂行に要す経費を順次支出していく。。
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Research Products
(2 results)