2022 Fiscal Year Annual Research Report
An exploration of the role of lymphatic vessels and its mechanism in promoting the recovery of muscle damage following effective stretching stimulation
Project/Area Number |
20K11156
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
紀 瑞成 大分大学, 福祉健康科学部, 准教授 (60305034)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河上 敬介 大分大学, 福祉健康科学部, 教授 (60195047)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 筋損傷 / リンパ管新生 / 内皮細胞増殖因子(VEGF-C/-D) / 免疫組織化学 / 分子生物学 / 伸張刺激 |
Outline of Annual Research Achievements |
リンパ管系は、筋損傷後に炎症反応などにより分解された筋線維のタンパク質や過剰な組織液を回収するために、また、筋組織の創傷治癒過程において重要な役割を担うと考えられる。そこで当研究グループでは、筋損傷組織の回復促進応答に関わるリンパ管系の分布や組織学的及び分子生物学的変化とそのメカニズムの解明に取り組んでいる。 本研究では、足関節背屈筋群の伸張性収縮により筋損傷モデルマウスを作製した。損傷2日後では、筋組織への炎症性細胞の浸潤に伴い、対照群に比べてリンパ管面積の増加傾向が認められた。損傷4日後では、毛細リンパ管の数・密度・面積が他の群に比べて増加し、内皮細胞増殖因子VEGF-C/-Dとそれらの受容体VEGFR-3などのmRNA発現レベルが上昇した。同時にマクロファージ関連因子TNF-α、IL-1β、Fizzl、Ym1などのmRNA発現レベルも増加した。損傷7日後では、筋線維の再生に伴い、筋機能(最大足関節背屈トルク)回復の傾向が見られた。本研究では、筋損傷組織におけるVEGF-C/-Dや炎症性サイトカインなどを解析した結果から、筋内リンパ管系の応答が筋損傷の回復過程に密接な関係性を持っており、筋組織内の恒常性を維持する重要な機構であることを明らかにした。筋内リンパ管内皮細胞の機能制御メカニズムを解明することにより、炎症性筋疾患に有効な治療薬の創出に寄与できると考える。
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Research Products
(5 results)