2021 Fiscal Year Research-status Report
女性骨盤底機能障害のレジストリ作成に基づいた予防・先端治療の確立
Project/Area Number |
20K11158
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
芦刈 明日香 琉球大学, 病院, 助教 (80768599)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮里 実 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70301398)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 女性骨盤底機能障害 / 遺伝子多型 / 疾患レジストリ / 骨盤臓器脱 / 尿失禁 / 過活動膀胱 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、腹圧性尿失禁や骨盤臓器脱(Pelvic Organ Prolapse:POP)、過活動膀胱といった女性骨盤底機能障害という中高年女性に潜在的に多く存在しQOLを著明に損なう疾患を対象としている。これらの疾患の発症予防や発症後の難治性症状に対して基礎的、臨床的側面から網羅的に解析しその疾患特性を明らかにし、そのデータをいかしアプローチするものである。また、発症後の病態を解明し、新たな創薬や治療方法を探索することも平行して行い、女性骨盤底機能障害に対する予防から治療まで個別治療ストラテジーを構築する事が目的である。 2年目では、女性骨盤臓器脱患者のwebによるレジストリへ症例登録の蓄積を行った。2021年度末現在、約300人のPOP患者と約240人の対照症例(非POP症例)を集積した。症例ごとに身体情報や発症リスクに関与する過去の出産詳細情報・既往歴・生活歴、POPの家族歴の有無などをデータベースに登録した。そのデータベースからPOP群と非POP群の特性の違いを検討していく予定である。また、POP症例においてPOP発症リスクに関与する可能性のあるゲノム解析を行い、症例を蓄積中である。ゲノム解析においてはPOP患者約200例のDNA抽出を行い解析している。最終年度で、目標症例数(合計500例)に達し次第、POP発症高リスクを見出すための解析を行う予定である。また、排尿障害を有する患者の排尿時姿勢との関連を検討しリハビリテーションに活用するため、座圧分布計測を用いた座位バランスの測定とCTによる腸腰筋筋肉量測定を用いた検討も臨床において症例を蓄積している。このように、女性骨盤底機能障害患者のデータベース構築による発症高リスク患者の同定法の検討とともに、基礎的・臨床的な治療法についても平行して行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
レジストリ登録において、疾患群は目標数到達しているが、比較検討する対照群の蓄積がコロナ禍の影響もあり遅れているため。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度はレジストリ・ゲノム解析を行い、骨盤底機能障害に対する疾患モデルラットを使用した動物実験により、創薬や骨盤底結合織修復治療に関して以下のように解明を進める。 1. 腹圧性尿失禁モデルラットによる尿道機能評価とともに、尿道機能改善をもたらす薬剤の探索、病理学的評価 2. 1と同じモデルラットを用いた低出力体外衝撃波照射による骨盤底組織の機能的・病理学的評価
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Causes of Carryover |
コロナ禍において学会出張がなかったため次年度使用額が生じたが、ゲノム解析や複数の論文投稿に際し費用を要する。
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