2023 Fiscal Year Research-status Report
難聴が認知症発症後の患者の臨床像に及ぼす影響の検討
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20K11170
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Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
内山 信 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 准教授 (30794979)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 認知症 / 難聴 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は認知機能障害、行動・精神症状、日常生活機能障害および脳萎縮の観点から、認知症患者における難聴の存在および程度により修飾される認知症の症状と脳画像所見を明らかにすることを目的とする。 当該年度は解析を行うためのデータ取得を行った。在宅療養中で、もの忘れ外来を受診したアルツハイマー病患者20例、レビー小体型認知症5例に対し、難聴に関しては構造化インタビュ―を、認知機能障害に関しては、認知機能検査であるMini-Mental State Examination、Frontal Assessment Battery、Alzheimer's Disease Assessment Scale を施行した。加えて、対象患者の血清中のApoE遺伝子表現型を測定を行った。認知症の行動・精神症状に関しては、半構造化インタビューであるNeuropsychiatric Inventoryを、また、日常生活機能障害に関してはClinical Dementia Ratingを、それぞれ信頼できる情報提供者である家族に対し施行した。また、本研究により取得した認知症患者およびアルツハイマー病患者の認知機能障害、行動・精神症状について、第47回日本神経心理学会学術集会、第47回日本高次脳機能障害学会学術総会において報告した。 これらの認知機能障害、行動・精神症状、日常生活機能障害に関する多様なデータを取得し、解析を行うことから、難聴により修飾される認知症の症状や患者の臨床像を明らかにする。次年度前半は引き続きデータ収集を継続し、後半はその解析結果を論文にまとめる計画である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当該年度の本研究の対象者は当初予定していた人数を若干下回った。質問紙に基づく難聴のデータの収集は概ね完了したが、聴力検査による難聴のデータ収集が若干遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度前半は引き続きデータ収集を継続し、後半はその解析果を論文にまとめる計画である。聴覚検査データが不足する場合は質問紙を用いた難聴のデータを主体とした論文とする。
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Causes of Carryover |
当該年度は研究への参加者が予定よりも下回ったため、論文作成までに至らなかった。そのため予定していた使用額の一部を繰り越し、次年度の研究参加者の検体検査費用、論文校正費用、学会参加費用等に充てる計画である。
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