2021 Fiscal Year Research-status Report
The effects of exercise on the dynamics of blood lactate and myokines
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20K11175
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
氷見 直之 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (70412161)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 修 川崎医科大学, 医学部, 教授 (00253287) [Withdrawn]
丸山 恵美 川崎医科大学, 医学部, 助教 (30792072)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 運動療法 / マイオカイン / 乳酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究課題である運動の種類による筋由来の栄養因子(マイオカイン)群の分泌動態を解析中である。5週齢の雄ラットを無作為に、①非運動群(ケージ内飼育のみ)、②強制運動群(トレッドミル走行:勾配5°、15m/分×30分を14日間)、③自発走行群(running wheel 付きケージにて14日間飼育、平均5,000m/日以上走行したラットを採用)、④電気刺激群(前脛骨筋および腓腹筋を皮膚上の電極にて刺激 2Hzにて10分を14日間)および⑤坐骨神経切断群(下肢筋群の随意運動を不可能とした比較対象群)に分けた。それぞれの運動終了後、坐骨神経切断群については切断14日後に前脛骨筋および腓腹筋を摘出し、抽出を行いELISAにてBDNF、IGF-1、Western blotにてirisin、cathepsin Bを測定した。2020年度に運動開始7日後の後肢の筋群にて運動群間でマイオカイン発現量に有意な差は見られなかったため、今回さらに運動開始14日後にて測定を行ったが、14日後においても運動群間でマイオカイン発現量に有意な差は見られなかった。筋においてマイオカインを産生後、早期に筋から血液へ放出されている可能性を考え、血漿中のマイオカイン濃度を測定中である。一方、運動強度の指標と考えている血中乳酸濃度は、電気刺激群において刺激直後に有意に上昇していた。他の運動群は運動前後で有意な変化はみられなかったが、トレッドミル群で運動強度を高くしていくと(弱:15m/min→中:25m/minまたは強:35m/min)、運動強度が高くなるに伴い運動後の血中乳酸濃度は上昇した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2021年度は健常ラットにおいて運動の種類と、運動開始14日後のマイオカイン類の分泌動態の関係を把握する計画であったが、ELISAの測定値のばらつきも大きく、運動間で有意な差が認められなかった。各個体からは採血も行い血漿サンプルを保存しているため、2022年度は血漿中のマイオカイン濃度の比較も行う。また血中乳酸濃度は運動強度に依存して高くなっていたので、マイオカインについても運動強度依存性を調べるべくサンプルを採取中である。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度内に運動の種類によるマイオカイン分泌動態の差異を解析する予定であったが、筋では有意差が見られなかったため、引き続き血漿サンプルにて解析する。それでも差がみられない場合、レジスタンストレーニング群や強度を上げたトレッドミル走行群および電気刺激群を用いた運動強度依存性の検討に移行する。実際、運動強度が高くなると血中乳酸濃度が増加しているため、血中乳酸濃度にて強度を標準化しながらマイオカインの分泌動態を検討する。2022年度の上期中にこれらの解析を終え、下期より脳梗塞モデルラットを用いてリハビリテーションとしての各種運動負荷を行い、行動試験(運動機能、記憶能)にて効果を比較する。脳梗塞モデルは運動障害が軽度で直後から運動療法が可能であるマイクロスフェア脳塞栓モデルを採用する。
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Causes of Carryover |
2021年度の残額が生じた理由としては以下の2点が主要因である。①新型コロナウイルス感染症拡大防止のため学会の現地開催が全て無くなり、出張旅費が不要になったこと。②2020年度の消耗品の残りや実験のノウハウが継続して使えたため、必要最小限の消耗品発注でデータを採取できたこと。 2022年度はこれまでの基礎検討とさらに脳梗塞モデルを用いた検討にも着手するため計画を超過する消耗品発注が危惧されるが、2021年度の残額分で対応可能と考える。また、国内外の学会で現地開催が再開され2021年度には使用しなかった旅費が2022年度には必要になると予想されるが、申請時点で2022年度分の旅費予算を計上しているため出張に影響はなく、情報収集や成果発表は十分可能と考える。
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Research Products
(1 results)