2020 Fiscal Year Research-status Report
ニューロフィードバックによる事象関連電位調節手法の開発
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20K11176
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Research Institution | National Rehabilitation Center for Persons with Disabilities |
Principal Investigator |
高野 弘二 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), 研究所 脳機能系障害研究部, 研究員 (00510588)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ニューロフィードバック / 事象関連電位 / 脳磁図 / 脳波 / fMRI |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではニューロフィードバックによるトレーニングが事象関連電位(ERP)に与える影響について、基礎的な知見を得ることを目的とする。 令和2年度の当初目標は、ニューロフィードバックトレーニングのための課題として提案したサビタイジングを実施し、課題遂行時の脳活動の計測およびそれを利用したニューロフィードバックトレーニングを実施することであったが、2020年初頭からの感染症対策により被験者の募集および実験機器の使用に制限がかかったため、実験のシステム構築と準備段階の予備実験で取得していた課題遂行時のデータ解析に留まった。また本センターの脳磁場解析装置(MEG)用継続について令和4年度以降が不透明であるため、MEGだけではなくfMRIを用いる実験系の開発も進めた。 新規開発の系ではニューロフィードバックはfMRIの信号を使用するため、解析の対象はMEGの場合に用いた活動の周波数毎のデータを各計測チャンネルで計算したものではなく、主としてMVPAのような活動の空間的パターンを対象として開発を進めた。これによりMEG使用時と比較して活動部位について従来より安定したデータが得られると考えられる。しかしながら時間解像度の低下により特定の脳活動の周波数に注目した懐石や反応速度に着目した経時変化を解析することは困難となる。現状データ数が少ないためこれらを比較できる明確な結果は得られていないが、実験の事前および事後に脳波を計測することでニューロフィードバックが事象関連電位に与える影響を観察する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型感染症対策により被験者の受入や病院に設置されている大型機器の使用に制限があったため、実験の実施が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
脳磁図の運用継続が不透明であるため、MRIの利用を重点化して実験を進める。また、研究室においてfMRIと同時計測可能な脳波計の導入予定があるため、必要に応じてこれを利用して脳磁図で行う予定であった実験の補間をすることを検討している。
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Causes of Carryover |
実験の実施および学会参加予定が感染症関連の影響でなくなったため、支出が減少した。令和3年度以降はワクチン摂取などにより移動可能範囲が拡がった際に適宜学会参加や実験の実施などを含めて繰り越し分を使用していくこととする。
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