2023 Fiscal Year Annual Research Report
ニューロフィードバックによる事象関連電位調節手法の開発
Project/Area Number |
20K11176
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Research Institution | National Rehabilitation Center for Persons with Disabilities |
Principal Investigator |
高野 弘二 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), 研究所 脳機能系障害研究部, 主任研究員 (00510588)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ニューロフィードバック / MRI / EEG / ERP |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではfMRIによるニューロフィードバックによるEEGへの影響について調査を行った。どちらもニューロフィードバックに用いられることが多い計測手法だが、fMRIは脳の代謝を、EEGは脳活動の電位変化を捉えるものであり、計測対象が異なる。しかしながら、ニューロフィードバックは脳可塑性を誘発し、脳活動に変化を与えるものであり、それぞれ相互に影響を与えうる。本年度はまず画面上の注視点に目線を固定した状態で右視野のみないし左視野のみに刺激を提示し、rare刺激の回数をカウントするというシンプルな視覚刺激によるOddball課題を用いて、その際のERP(事象関連電位)を視覚刺激に関わるO1およびO2について計測した。その後、左右のうち片方の一次視覚野のみを対象としてニューロフィードバックを実施した。計測にはfMRIを使用、標準脳から一次視覚野を抽出したものをを個人脳にfittingし、その部位の活動量を被験者にフィードバックした。実験は30秒の休憩と30秒のトレーニングで構成され、休憩時間の後半10秒のBOLDを基準として、トレーニング時間でのBOLDの増加率を視覚化した。その後、ニューロフィードバック前のOddball課題と同じ課題を左右の視野について実施、加えて同じ部位についてERPを計測した。これらのデータをもとにニューロフィードバック前後での比較を行い、ニューロフィードバックを行なった側のERPで振幅により大きな変化があったことを確認した。現状被験者数が十分でないため不明な点が多いが、fMRIによってERPへの影響があることが確認された。
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