2020 Fiscal Year Research-status Report
遠隔診療システムを用いた多職種ネットワーク心臓リハビリの確立
Project/Area Number |
20K11179
|
Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
沓澤 大輔 山形大学, 医学部, 助教 (70596577)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 心臓リハビリテーション / 地域連携 / 多職種連携 / 循環器診療 / 病病連携 |
Outline of Annual Research Achievements |
山形大学医学部附属病院(当院)と山形県内の医療機関で多職種同士の定期的なミーティングを開始している。参加している職種は医師、看護師(慢性心不全看護認定看護師含む)、理学療法士、作業療法士、医療ソーシャルワーカー、臨床検査技師と各方面から協力を得ている。地域連携心リハ会議と称し、毎月1回のペースで開催している。当初は当院と近隣の病院2カ所で実施していたが、現在はさらに二つの病院が参加して計5つの医療機関で会議を実施している。会議内容は外来心臓リハビリテーションの実施状況、転院後の入院心臓リハビリテーションの申し送り、運動療法に影響ある心疾患精査の依頼、心肺運動負荷試験結果の共有など診療情報の共有を行っている。2020年度前半はオンサイトで開催していたが、後半ではコロナ禍が影響してオンラインでのミーティングに変更された。Microsoft Teamsを利用し、セキュアな環境で診療情報の共有を行っている。オンラインによる地域連携心リハ会議の開催の恩恵として、オンサイトで開催している際には参加が難しかった、遠方の医療機関のスタッフでも、参加が可能になった点が評価できた。地域連携心リハ会議に参加している医療機関には、タブレット端末を配置している。タブレット端末は遠隔会議用途であるが、療法士や看護師間において、退院前患者のリハビリ実施状況やADLの確認、リハビリ協力先医療機関のスタッフと患者の事前顔合わせなどにも使用されている。医師や看護師による書面の診療情報提供書や看護師サマリ以上に共有できる内容が豊富で良い。 県内での心臓リハビリテーション施設では心肺運動負荷試験(CPX)の実施できない医療機関もある。CPXを用いた運動処方に代わる至適運動強度の推定のために、循環器疾患患者に対する二重積を用いた至適運動強度の推定を報告した(山形理学療法学 第17巻: 12-16, 2020)。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
山形大学医学部附属病院と県内の心臓リハビリテーション実施医療機関と月に1回、地域連携心リハ会議を実施している。当初、会議への参加医療機関は当院を含めて3施設だったが、現在は5施設に増加している。コロナ禍において、オンサイトで会議を行うことが困難になったが、オンラインで会議を実施する設備を整えた。 タブレットを用いた遠隔会議用途で用いて、病病連携の整備を行った。地域連携心臓リハビリテーション会議に参加している医療機関5つに対して配備し、医師のみならず療法士や看護師間で連携している。また、長期の慢性心房細動に伴う心拡大と僧帽弁閉鎖不全症が原因の重症心不全症例に対して、急性期から周術期、外来心臓リハビリテーションを継続して、アドヒアランスと運動耐容能の改善が得られ社会復帰に至った1例を経験した。効果的であるとされる多職種介入プログラムにより不良な内服コンプライアンスと病識の欠如を補い、急性期から開始した運動療法に加えて多職種で綿密に連携し一貫した患者教育を実施した結果内服コンプライアンスと病識の欠如から多職種介入により退院後の連携病院での心臓リハビリテーション参加とセルフマネジメントの維持につながった1例を、和文報告の準備が整っており、今年度中には投稿できる見込みである。
|
Strategy for Future Research Activity |
概ね予定通り、研究を推進していく。コロナ禍ながら、山形大学医学部附属病院の心大血管リハビリテーション件数は増加傾向である。療法士のみならず、病棟看護師にも病棟におけるリハビリテーション実施していることが、件数増加に寄与しているかもしれない。引き続き、虚血性心疾患や開胸術後患者、慢性心不全症例、閉塞性動脈硬化症患者に対してリハビリテーションを継続しながら、データベースを整備していく。また院内外において多職種との連携を密に図り、県内における心臓リハビリテーション活動の輪を広げる活動を継続していく予定である。
|
Causes of Carryover |
残金は、少額なので、次年度の消耗品購入に使用する予定です。
|
Research Products
(1 results)