2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of new gait training exercise by using augmented reality technique for stroke patients with hemispatial neglect symptoms
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20K11182
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
北間 敏弘 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (60272902)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
駒形 純也 健康科学大学, 健康科学部, 助教 (20712798)
杉浦 篤志 山梨大学, 大学院総合研究部, 助教 (90755480)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 視運動性刺激(OKS) / 拡張現実(AR) / 姿勢バランス / 下肢荷重量 / 脳卒中 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、姿勢と歩行バランスの不安定な脳卒中患者に対する歩行能力向上のために、光学透過型ヘッドマウントディスプレイによる拡張現実空間(AR)における視覚刺激を用いて下肢荷重バランスを麻痺側へ偏移させる新たな治療方法の確立を目的とする基礎的研究である。今年度はまず、ARによる視覚刺激システムの刺激パラメータの再検証を健常被験者において行った。水平OKS、回旋OKSの2つの方法において40°/sの刺激速度として、薄暗い照明下で、一様な暗幕カーテンを透過型ヘッドマウントディスプレイの背景とする計測条件を確定し、静止立位時の下肢荷重量(重心)の有意な偏移のさらなる検証データ数を収集した。その結果、これまで行ってきた仮想現実(VR)による荷重偏移量に比較してその効果が弱くなる傾向となり、背景および明度条件が重要であることを確認した。さらに、下肢荷重の計測とともに、体荷重バランスに大きく関係する下肢の4つの筋(大腿四頭筋(QF)、大腿二頭筋(FB)、腓腹筋(GC)、前脛骨筋(TA))の筋電図(EMG)活動を同時に記録してOKS中の応答を調べたところ、重心移動に伴う刺激方向のTAおよびQFの平均活動の有意な増加を確認できた。活動増加がTAおよびQFにみられた理由として、これらの筋が下肢前面にあり、OKSによる左右方法とともに起こる後方への重心移動のために生じたものと考えられた。以上の結果は研究成果として発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
透過型HMDを用いたAR環境による視覚刺激システムの構築がほぼ完成し基本的刺激パラメータの検証・確立を進めることができている。OKS中に、静止立位状態の重心動揺とともに、EMG活動の同時記録が開始できるようになり、被験者データの収集が開始できる状態となった。しかしながら、依然として感染拡大防止の観点から、十分な被験者実験データの取得の困難とともに、電子部品供給の停滞に伴う機器の導入等にも遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
透過型HMD刺激を用いて、静止立位による十分なサンプル数データを収集するとともに、重心偏移にともなうEMG活動のデータ収集・検証を行い、VR視覚提示によるシステムの完成と、この方法の有効性検証をさらに進める。
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Causes of Carryover |
設備備品費においては、電子部品供給および輸送の停滞に伴う機器の導入の遅れが生じ、次年度にずれ込む結果となっている。また、透過型HMDによる被験者実験のデータサンプル数が感染拡大防止への対応の継続により予定数を下回ったこと、またそれに伴い、予定していたその他の実験準備が滞ったことの理由により繰越を行った。成果発表についても国内の学会において成果発表を行ったものの発表者のみの参加、または、オンラインによる発表のため、旅費の使用機会も限られたため、次年度以降の成果発表のために繰越を行なった。
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