2020 Fiscal Year Research-status Report
Effect of moving tactile stimuli to sole on postural control
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20K11187
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
平岡 浩一 大阪府立大学, 総合リハビリテーション学研究科, 教授 (10321209)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 動的触覚刺激 / 姿勢制御 / 立位 / 足圧中心 / 足底 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、立位姿勢制御を変調させる足底への動的触覚刺激パターンを発見することを主な目的とする。この目的を達成するため、1)動的触覚刺激パターンを実現する装置の製作、2) 動的触覚刺激パターンと姿勢制御変調の関係性の検証、3) 姿勢動揺をトリガにした動的触覚刺激による姿勢制御変調の検証、4) 効果が確認された刺激パターンを姿勢制御障害のある疾患に試行して臨床介入効果を確認、の順に研究を進める。 研究初年度の今年度は、4月から12月にかけて動的足底刺激装置の開発と改修を行った。1月からは動的足底刺激のプログラム開発を行った。 2月から3月にかけてはそのプログラムを用いて健常被験者を対象に足底への動的刺激を実施する実験を行った。動的刺激は歩行時の刺激および前後移動刺激・左右移動刺激を実施した。歩行時の刺激では、歩行を模した足底への動的触覚刺激として、片側足底に1周期の60%の時間で後方から前方への動的触覚刺激を導入し、これを左右交互に繰り返した。両脚支持期を模した、両側への動的触覚刺激を周期の20%に導入する。実験では動的刺激時に生じる足圧中心の変位を計測した。被験者の視覚を遮断した条件と遮断しない条件で実施した。また、動的触覚刺激前後の変化を観察するため、動的触覚前後の足圧中心のデータも記録した。おおむね予想通り、足圧中心は動的刺激に応じて変動した。現在は3月までに行った実験データの解析を行っているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
この研究の目的のひとつであった動的足底刺激装置の開発に少し時間がかかり、さらにその装置の改修にも時間を要した。特に刺激部と記録部のトリガシステムの改良、刺激部のソフト改修、生体信号トリガシステムの開発に難渋した。しかし、完成してからは実験は順調に推移し、取得すべきデータも予想以上に取得できている。現在記録したデータを解析しているところである。
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Strategy for Future Research Activity |
現在行っている実験では、歩行を模した足底への動的触覚刺激として、片側足底に1周期の60%の時間で後方から前方への動的触覚刺激を導入して、これを左右交互に繰り返す刺激を実施し、この刺激を導入する前、刺激中、刺激後における立位姿勢制御(特に足圧中心を観察しているところである。今年度(2年目)以降の実験では、立位において足底触覚分布の前方移動を人工的に発生させることによって後面筋の活動を促し、結果として足圧中心の後方移動が生じるかを検証する。後方外乱を模した逆方向の触覚刺激も別に検証する。3年目の課題としては、脳卒中片麻痺患者の片側への荷重偏位を改善する用途を想定し、左右非対称な動的触覚刺激により足圧中心の側方変位を狙う刺激パターンも検証する。
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Causes of Carryover |
2020年度には大型備品を購入したが、その他に必要購入品目がなかったため残余が生じた。2021年度には電極等の消耗品が実験用途で必要になるので、それらのこの残余をあてたい。
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