2020 Fiscal Year Research-status Report
Physical and mental function of patients undergoing preoperative chemotherapy for pancreatic cancer and effect of preoperative rehabilitation
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20K11188
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
三上 幸夫 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (80422129)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田島 文博 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (00227076)
山上 裕機 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (20191190)
幸田 剣 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (20433352)
川井 学 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (40398459)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 膵癌 / 切除可能境界膵癌 / 術前化学療法 / 術前身体機能 / 術前リハビリテーション |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年度には、①切除可能境界膵癌に対して術前化学療法を施行した症例の術前身体機能の評価と、②膵癌患者に対する術前入院リハビリテーション治療の効果に関する研究を行った。これら①②はいずれも、「術前化学療法を施行する切除可能境界膵癌患者に対する術前PROリハビリテーションの効果」をRCTにて検証するための、事前データ取得・事前研究である。①ではこれまで12名を対象として術前化学療法前後の身体機能を評価した。その結果、膝伸展筋力(NM), 70.2±23.5→69.4±23.7; 6分間歩行距離(m), 507.4±0.1→495.0±97.0; Peak VO2(ml/min/kg), 18.6±4.4→17.4±3.8であり、切除可能境界膵癌に対して術前化学療法を施行した患者では、術前化学療法後に身体機能が低下する傾向がみられた。本結果は第4回日本リハビリテーション医学会秋季学術集会にて報告した。また、②に関しては、26人の膵癌患者に対して術前入院リハビリテーション治療を行った。その結果、リハビリテーション前はpeak VO2 (ml/kg/min), 22.3±4.6; 6MWD (m), 484.5±65.7であり、リハビリテーション後はpeak VO2 (ml/kg/min), 23.7±5.2; 6MWD (m), 516.5±70.9といずれも有意に上昇した。本結果はThe Tohoku Journal of Experimental Medicineに投稿して受理された。これまでの結果から術前化学療法を施行する切除可能境界膵癌患者では術前身体機能が低下すること、膵癌患者では術前入院リハビリテーション治療によって術前身体機能が改善することが明らかとなってきている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和2年度には切除可能境界膵癌に対して術前化学療法を施行した症例の術前身体機能評価を行ったが、解析対象者数が12名に止まり、中間報告に終わっている。この理由としてはコロナ禍のため、当科受診患者数の減少・患者さんの検査拒否・心肺運動負荷試験実施におけるCOVID-19感染リスクおよび感染予防対策徹底による業務負担が挙げられる。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナ禍による研究進捗の遅れに対して、感染予防対策の徹底をスタッフに周知し、検査推進を指示した。また、当院第2外科医師にも再度研究協力をお願いして、対象患者の院内紹介を依頼した。今後は術前化学療法を施行する切除可能境界膵癌患者の心身機能について、症例数を増やしてさらに明らかにする予定である。また並行して、「術前化学療法を施行する切除可能境界膵癌患者に対する術前PROリハビリテーションの効果」に関するRCT研究の詳細なプロトコールを当院第2外科医師と協議の上、早急に着手する予定である。
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Causes of Carryover |
令和2年度はコロナ禍のため、切除可能境界膵癌に対して術前化学療法を施行した症例の術前身体機能評価が若干遅延した。また、国内学術集会も中止またはオンライン開催となり、国外学術集会への参加は認められず見送った。令和3年度は感染対策を徹底し、WEB学会にも積極的に参加して、本研究結果を公表して討議する予定である。また、コロナ禍中とはなるがRCT研究も進め、研究期間内には結果を公表できるよう最善を尽くす所存である。
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Research Products
(2 results)