2020 Fiscal Year Research-status Report
運動療法の継続がアポトーシスを抑制し脳梗塞後の神経細胞死を軽減する機序の解析
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20K11191
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
倉林 均 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (70192036)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 運動療法 / リハビリテーション / 脳卒中 / 神経細胞死 / アポトーシス / サイトカイン |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26~28年度文科省科研費「課題:運動療法がアポトーシスやアディポカインを介して脳梗塞再発を抑制する機序の解析」により、脳梗塞における運動療法が血管内皮障害(TM, EC)、線溶機能(PA, PIC, DD, TAT)、血小板活性化(βTG, PF-4, PDMP)、炎症性サイトカイン(IL-1β, IL-6, IL-2, TNFα, TNFR1, TNFR2)を鎮静化することを示し、運動療法が脳梗塞の二次予防に寄与することを報告した。平成29~31年度文科省科研費「課題:運動療法がサイトカインやアポトーシスを介し脳梗塞後神経細胞死を抑制する機序の解析」では、、脳梗塞における運動療法がアポトーシス(Fas, FasL)、成長因子(BDNF, NGF)、接着分子(P-selectin, L-selectin)を鎮静化することを示し、運動療法が脳梗塞の増悪を抑制することを発表した。本課題はこれらの継続研究課題で、運動療法を継続することが脳梗塞の二次予防および増悪にさらなる効果を示すか否かを解析する。初期治療を終了した亜急性期の脳卒中に従来の理学・作業療法を施行し、運動療法の量(1日当たりの理学・作業療法の時間)とアポトーシス、炎症性サイトカイン、血管内皮障害、成長因子などの指標(Fas、FasL、caspase、IL-1β、IL-6、TNF-α、TNFR、PDGF、NGF、BDNF)の変化量(Δ:後値-前値)を比較検討した。1日当たりの運動療法の時間が多いほど、アポトーシス、炎症性サイトカイン、血管内皮障害、成長因子などの指標が改善してくる傾向がみられた。まだデータは揃っていないが、今後は運動のモダリティー、強度(METs)なども検討していきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
目標症例数におおむね達しているが、感染症蔓延(Covid-19)により、症例の評価や外注検査の発注が遅れているため。
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Strategy for Future Research Activity |
感染症対策が徐々に整い、症例の評価や外注検査の発注の方法も慎重に対策できたので、今後の研究は順調に推進できる。
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Causes of Carryover |
感染症対策などのため令和2年度に購入または発注予定の研究費の執行が遅れたが、大幅な研究計画の変更はなく、研究内容自体は計画通り順調に進展しており、令和3~4年度に研究費は順次執行していける。
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Research Products
(4 results)