2020 Fiscal Year Research-status Report
Immediate effects of manual lymph drainage (MLD) and active exercise with compression therapy on lower-limb lymphedema: compilation of the treatment guidelines of lymphedema
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20K11192
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
辻 哲也 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 教授 (90245639)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | リンパ浮腫 / 卵巣癌 / 子宮癌 / リンパ節郭清 / リハビリテーション / 運動療法 / QOL(生活の質) / サポーティブケア |
Outline of Annual Research Achievements |
続発性下肢リンパ浮腫は、がん治療後に発症する後遺症で難治性である。標準治療として、スキンケア、用手的リンパドレナージ(Manual lymph drainage: MLD)、弾性着衣や弾性包帯による圧迫療法、圧迫下での運動療法を組み合わせた複合的理学療法(Complex physical therapy: CPT)が推奨されているがエビデンスは不十分である。 本研究の目的は、下肢リンパ浮腫に対する保存的治療の即時効果を検証し、CPTを構成する個々の治療の有効性を明らかにし、治療指針を確立することである。 対象は婦人科がん治療後に続発性下肢リンパ浮腫と診断された患者とし、A)MLD(臥位で30 分間リンパ浮腫セラピストが実施)、B) 圧迫+圧迫下運動療法(臥位で多層包帯法による圧迫療法+てらすエルゴⅡ(昭和電機株式会社製)を用いたペダル駆動の計30分間)、C)下肢挙上のみ(臥位で脚専用マットを使用して下肢全体を拳上し30 分間)の3通りの介入を、ブロックランダム化クロスオーバー比較試験として実施する。先行研究を参考に必要なサンプル数は各群25例、3群合計のべ75例とした。 主要評価項目を下肢体積とし、測定には赤外線を利用した体積測定機器Perometer Type 1000M(Pero-System社製、ドイツ)を使用した。副次評価項目は、浮腫徴候(皮膚硬度・圧痕)、自覚症状(痛み・重だるさの評価)とした。浮腫徴候は3段階の定性評価、自覚症状はVisual Analog Scaleで評価した。 MLDおよび圧迫下での運動療法の即時効果を検証するために、主要評価項目・副次評価項目に関して、各介入の即時効果を分析する。また、下肢体積の変化量・変化率と浮腫徴候、自覚症状および背景因子との関係を分析する。また、研究結果をもとにリンパ浮腫を改善させるためのCPTの指針を提案する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
対象患者のエントリーは滞りなく行えている。A)MLD(臥位で30 分間リンパ浮腫セラピストが実施)、B) 圧迫+圧迫下運動療法(臥位で多層包帯法による圧迫療法+てらすエルゴⅡ(昭和電機株式会社製)を用いたペダル駆動の計30分間)、C)下肢挙上のみ(臥位で脚専用マットを使用して下肢全体を拳上し30 分間)の3通りの介入ともに順調に完遂できている。対象患者の基本情報や医療情報は診療記録から、データ収集できている。 また、関連する研究成果に関して、国際的な学術誌(BMC Womens Health)に英文論文が掲載された。 以上から、予定された令和2年度の計画どおりに研究は進行したと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度には、継続して患者のエントリーを進める。サンプルサイズで設定した各群25名、3群合計のべ75名が目標である。 その後、データを開示し、MLDおよび圧迫下での運動療法の即時効果を検証するために、結果の解析を行う。主要評価項目として下肢体積、副次評価項目として浮腫徴候(皮膚硬度・圧痕)、自覚症状(痛み・重だるさ)を3種類の各介入前後に評価し、各介入の即時効果を検証する。統計解析は3介入群間、3期間の比較に線型混合モデルを用いてクロスオーバー分散分析を実施する。下肢体積の変化量・変化率と自覚症状(痛み・重だるさ)、浮腫徴候(皮膚硬度・圧痕)、体組成(インピーダンス値等)および背景因子(基本属性、医療情報)との関係を分析する。いずれの統計解析も、有意水準は5%とする(IBM SPSS Statistics 23)。 令和4年度には、研究結果をもとに、過去の文献やガイドラインも参考にして、リンパ浮腫を改善させるための最適な保存的治療の指針を構築する。 研究の成果は、リハビリテーション医学、癌治療に関する国内・国際学会で発表するとともに、原著論文として成果をまとめ、リハビリテーション医学または癌治療に関わる国際誌に投稿し、研究成果を世界へ発信する。
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Causes of Carryover |
令和2年度に予定していた学会(MASCC;国際がんサポーティブケア学会年次集会、開催地:スペイン)が、COVID-19感染拡大のため開催中心になり参加できなかったため。 令和3年度も国際学会への現地参加は困難であることが予想されるため、Web形式で開催される関連学会へのオンライン参加を予定する。
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Research Products
(18 results)