2022 Fiscal Year Research-status Report
脊髄小脳変性症と多系統萎縮症患者のQOL向上を導くリハビリテーション介入の検討
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20K11219
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
春山 幸志郎 順天堂大学, 保健医療学部, 特任助教 (20865878)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 脊髄小脳変性症 / 多系統萎縮症 / リハビリテーション / 質問紙調査 / 生活機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
脊髄小脳変性症および多系統萎縮症を有する患者において、リハビリテーション介入が本当に患者の生活の質(quality of life: QOL)に寄与しているのかどうかを明らかにする目的で、日本全国規模の調査研究を計画した。2020年に研究計画通り、質問紙を作成し、郵送・データ集積を行い、591/1000人から質問紙を回収した。これらのデータに基づき、様々な地域、年代、背景因子を有する患者の、基本情報、医学的情報、社会的情報に加え、身体・精神機能障害、活動制限、社会参加制約の因子とその程度を定量化し、国際的に使用されるQOLスコア(EuroQOL)を取得した。 本目的である主解析前に、2020年は新型コロナウイルス感染症のパンデミックが発生したため、全国調査の時期と重複し研究計画の遅延などの発生を認めたが、2021年中にはデータの収集と整理まで終了した。2022年にはパンデミック中の患者の生活機能への影響についての世界的に見ても大規模なデータをまとめ、SCD・MSA患者の生活への影響が社会参加については約半数、身体機能への影響についても少なからずあることを論文投稿を通して報告した(Haruyama et al., Jpn J Rehabil Med, 2022; Haruyama et al., Sci Rep, 2022)。 さらに2022年に、主目的であるQOLへ寄与するリハビリテーションの効果について、構造方程式モデリングの統計的解析を通して、因果関係を可能な限り解明すべく、データ分析中である。中間解析のデータとしては、リハビリテーションの介入はそうでない場合と比較して、約16%のQOL向上に寄与していることが明らかとなっている。引き続きリハビリテーションの介入の具体的な内容や、患者の種々の要素に応じてどれだけリハビリテーションの介入に意義があるかを慎重に解析しており、結果がまとまり次第学術報告を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画としては完遂し、最後の成果報告として学会発表・論文掲載を試みている段階である。
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Strategy for Future Research Activity |
得られたデータを基に、学会発表および論文投稿を積極的に進めていく。
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Causes of Carryover |
最終報告にかかる論文投稿に掛かる費用が残存している。具体的には英文校正費及び論文投稿料が該当する。次年度中に速やかに遂行予定である。
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Research Products
(2 results)