2021 Fiscal Year Research-status Report
スクレロスチンが引き起こす筋量低下を解明しサルコペニアの治療や予防を開発する研究
Project/Area Number |
20K11221
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
小林 哲士 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (20449383)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小倉 裕司 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (90509952)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | サルコペニア / スクレロスチン / 骨格筋筋線維タイプ |
Outline of Annual Research Achievements |
サルコペニアは「筋量と筋力の進行性かつ全身性の減少に特徴付けられる症候群で、身体機能障害、QOLの低下、死のリスクを伴うもの」と定義されている。有病率は加齢に伴い増加し、また、サルコペニアは骨粗鬆症とも関連し、骨細胞より分泌され骨粗鬆症を引き起こすスクレロスチンが筋量減少をもたらす可能性がある。一方、研究代表者らはヒト前十字靭帯再建術後モデルにおいてII型筋線維と筋力は正の相関があることを見出している。本研究では、スクレロスチンが筋線維組成の変化を介してサルコペニアを発症させる可能性を考え、この関係を解明する。この成果は、サルコペニアの治療開発や予防戦略につながる。 本研究は「スクレロスチンがヒトのサルコペニア症例において果たす役割を解明し、筋量や筋力低下対策への基盤となる知見を得ること」を目的とする。本期間内では以下の小テーマに絞り、ヒトのサルコペニア症例から得られた骨格筋を用いて明らかにする。1.スクレロスチンとサルコペニアの関連:全筋レベルでの横断的解析、2.スクレロスチンが骨格筋の生理に及ぼす作用の解明:培養実験モデル、3.スクレロスチンと筋線維組成の関連:培養実験モデル、4.スクレロスチン抑制が培養筋幹細胞の筋量低下を軽減するか? 本研究は研究協力施設の静岡医療センターにて行い、解析を聖マリアンナ医科大学で行うこととなった。令和2年度(1年目)は、本研究の倫理委員会での承認、被験者確保と実験サンプル収集を行った。令和3年度(2年目)は前年度より引き続き被験者確保と実験サンプル収集を行った。大腿骨近位部骨折の症例から採取した骨格筋サンプルを静岡医療センターより聖マリアンナ医科大学へ配送するシステムを構築し、生化学分析を聖マリアンナ医科大学で行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究は研究協力施設の静岡医療センターにて行い、、解析を聖マリアンナ医科大学で行うこととなった。令和3年度(2年目)は令和2年度(1年目)に引き続き被験者確保と実験サンプル収集を行った。前年同様に新型コロナウイルスの影響により、救急患者の受け入れや入院制限があったため、対象症例の確保に制限があった。また、新型コロナウイルスの影響により、他県への移動が制限されたため、研究会議を行うことが困難であった。令和3年度の被験者は20例であった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究1年目に確立したシステムを用い、本研究を継続していく。被験者の確保については、年度始めから行い、年間50症例を見込んでいる。また、サンプルが収集されたら解析を行っていく。 令和2年3月より研究分担者の小倉裕司が聖マリアンナ医科大学を退職のため、研究責任者の小林哲士が生化学分析を行うこととした。生化学実験を研究協力者の後藤勝正が所属する豊橋創造大学で行うこととした。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により学会参加が制限され、学会旅費の計上が無く、学会参加費の計上が少なかったため。また、サンプル数が少なかったため、物品費が少なかった事が理由として考えられる。 本年度は、学会参加制限が無いことが見込まれるため、旅費が増加すること。また、サンプル数が増加し、物品購入費が増加することが見込まれる。また、静岡医療センターにサンプルを保管するための冷凍庫を購入予定、また、生化学実験を研究協力者の後藤勝正が所属する豊橋創造大学で行うため旅費などが増額予定である。よって、本年度の繰越金は次年度の予算と合わせて、増加が見込まれる分に使用する予定である。
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