2021 Fiscal Year Research-status Report
高齢者の転倒予防を目的とした仮想現実(VR)併用体幹バランス訓練機器の開発
Project/Area Number |
20K11228
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
斉藤 公男 秋田大学, 医学部附属病院, 医員 (20566153)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
巖見 武裕 秋田大学, 理工学研究科, 教授 (10259806)
島田 洋一 秋田大学, 名誉教授, 名誉教授 (90162685)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 座位バランス / 坐位バランス / 体幹バランス / 体幹訓練 / 仮想現実 / 転倒予防 / 体幹トレーニング / AR |
Outline of Annual Research Achievements |
われわれは,座位バランス装置を開発し,これまで基礎となるバランス評価装置としての機能・精度検証を重点的に行ってきた.訓練装置としては多種多様な方向の外乱が可能で自由度の高い6軸モーションベースが非常に有用であると考えられた.しかし,バランス機能評価装置として使用した際,ランダムな動きの中の計測はバランス評価が一定せず,転落リスクもあった.そこで,体幹バランス評価尺度を統一し,安定した信頼性のある精度の高い体幹バランスを測定するため,外乱は一定方向での外乱を異なる方向で行う計測が望ましいと考えられた.信頼性試験を施行し,検者内信頼性は0.815,検者間信頼性は0.789であり,Fleissらの判定基準によるとexellentであった.体幹バランス評価は定性的で再現性の低い評価が多く,定量的にかつ信頼性の高い評価ができることを確認した.また,本装置で計測できる体幹バランス能力の特性を知るため,既存のバランス評価バッテリーとの比較試験を行い,本装置で計測できる体幹バランス能力は動的な因子と関連する特性をもつことが明らかになった.評価装置としての有用性が明らかになる一方,計測データを解析するまでに一度専用のソフトを介する必要があったため最終結果がでるまでに一定の時間を要した.また,データ処理の煩雑性とタイムラグにより,データをリアルタイムにフィードバックができない状況であった. 2020年度はこのようなユーザビリティを改善すべく,計測と解析を自動で行えるソフトの開発を行った.これにより,今後検者は簡便に被験者に対してリアルタイムにフィードバックできる環境となった. 2021年度は訓練装置としての活用として,仮想現実(VR)機器を併用したシステムの開発を行い,システムは概ね完成した.今後特定臨床研究に登録し,登録後に実証試験を行う予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
訓練装置としての活用として,仮想現実(VR)機器を併用したシステムの開発を行った.本システムは,もともと開発していた座位バランス装置を揺動装置として用い, 制御用PC, Oculus Riftを併用したシステムである.座面CoP, 座面角度のVR環境への反映を実現したVR体幹訓練ゲームを合わせて開発し,訓練装置としてのシステムが概ね完成した.若年健常者を対象とした評価試験を行い,開発した訓練システムの安全性を確認した.
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度中に,国立大学法人秋田大学臨床研究審査委員会に申請・登録し,評価装置としての実証試験を行う予定である.また,仮想現実(VR)機器を併用した訓練装置としての実証試験は,健常者試験から行い,酔いなどの有害事象や安全性を検討した上で可能であれば高齢者に対して行いその効果を検証する予定である.
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Causes of Carryover |
新型コロナ渦の影響で学会自体がオンライン開催となることが多く,旅費としての支出が少なかった.今後は学会発表,特定臨床研究経費や論文報告作成経費などで使用するよていである.
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