2021 Fiscal Year Research-status Report
予測制御とフィードバック制御の評価に基づいた子供の運動発達ナビゲーターシステム
Project/Area Number |
20K11235
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Research Institution | Komatsu University |
Principal Investigator |
李 鍾昊 公立小松大学, 保健医療学部, 教授 (40425682)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
崔 雄 群馬工業高等専門学校, 電子情報工学科, 准教授 (30411242) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 運動発達 / 予測制御とフィードバック制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では子供の運動機能と運動学習能力を脳の運動制御観点から定量的に分析・可視化できる「子供の運動発達ナビゲーターシステム」を構築することを目的とする。これまでの共同研究先であるハンドン大学(韓国)の付属小学校の協力を得て知覚運動統合の発達が観察できる6歳児から小学生までを対象に、指標追跡運動を行い、33名からの手首運動を記録した(低学年の小学生:18人、高学年の小学生:15人)。そして、収集した子供のデータに基づいて各年齢別の運動能力、特に遅い指標追跡運動と早い指標追跡運動に対する予測制御とフィードバック制御能力の差を定量的に評価した結果、小学校4年生以上になると大人と同じぐらいの予測制御の精度になることが明らかになり、その研究内容を学術論文としてまとめている。また、子供向けの仮想空間でゲーム形式の上肢運動を3次元仮想現実空間で直接評価できるシステムと分析方法を提案し、その研究内容を研究分担者が英文雑誌(PLoS ONE(2021))に掲載するのに責任著者として貢献した。そして、指標追跡運動を子供や発達障害児にも楽しくできるように、指標追跡運動を子供の大好きな「タブレットPC用のゲーム形式」として改良し、画面上のカーソルを指で直接追跡できる「タブレットPCを用いた簡便・安価な運動機能検査システム」が開発できたので、今後手首による運動評価システムだけではなく、タブレットPCを用いた運動評価システムからも子供の各年齢に応じた運動機能と運動学習能力の把握や小脳の役割、利き手と非利き手の関係を運動制御の観点から分析できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和3年度には、これまでの共同研究先であるハンドン大学(韓国)の付属小学校の協力を得て知覚運動統合の発達が観察できる6歳児から小学生までを対象に、手首マニピュランダムを用いた指標追跡運動を行って記録した手首運動データと大人の手首運動データを分析し、各年齢別の運動能力、特に遅い指標追跡運動と早い指標追跡運動に対するFeedforward制御とFeedback制御能力の差を定量的に分析している。特に低学年と高学年に対する脳の運動機能の違いを脳の運動発達の観点から比較した結果、低学年と高学年の間には位置制御の精度が発達する期間であり、高学年の小学生から大人になる間には速度制御の精度が発達する期間であることが確認でき、その研究内容を共同研究者が英文論文としてまとめている。そして、指標追跡運動を子供や発達障害児にも楽しくできるように、指標追跡運動を子供の大好きな「タブレットPC用のゲーム形式」として改良し、画面上のカーソルを指で直接追跡できる「タブレットPCを用いた簡便・安価な運動機能検査システム」を開発し、現在各年齢に応じた運動機能と運動学習能力を運動制御の観点から分析できる「運動発達分析用データベース」に必要な症例を集めている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、手首による運動評価システムだけではなく、タブレットPCを用いた運動評価システムからも各年齢に応じた運動機能と運動学習能力の把握や小脳の役割を運動制御の観点から分析できる症例を増やし、「運動発達分析用データベース」に加える。これに関してはこれまでの共同研究先であるハンドン大学(韓国)の付属小学校に加え、小松市にある子供の交流施設との連携研究として行い、構築されたデータベースに基づいて子供の知覚運動機能の継時的変化を運動制御の観点から分析する予定である。また、子供の運動機能と運動学習能力において利き手と非利き手の関係も同時に調べる予定です。
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Causes of Carryover |
令和3年に予定した共同研究先と分担研究者への出張と打ち合わせがコロナウィルス感染防止のため、中止と遠隔で行ったため、一部の研究費が残額として残ることになった。
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