2021 Fiscal Year Research-status Report
The role of mechanically-sensitive ion channels in delayed onset muscle soreness
Project/Area Number |
20K11246
|
Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
太田 大樹 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 助教 (10712432)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片野坂 友紀 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 講師 (60432639)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 遅発性筋痛 / 機械受容チャネル / 骨格筋 |
Outline of Annual Research Achievements |
本計画では、これまでの実験によりTRPA1が遅発性筋痛の機械痛覚過敏に関与する結果を得ているが、一方で本研究室内の実験により、近年新たに同定された機械受容因子Tmem120A(Beaulieu-Laroche et al., 2020)が伸張性収縮の負荷筋において、深層ではなく浅層領域において発現増大することが明らかとなった(※この実験ではホモログであるTmem120Bは発現増大しなかった、未公開データ)。しかし、侵害受容器での発現は不明であったため、本計画では遅発性筋痛がピークとなる時期の後根神経節でTmem120Aが発現増大するか調べた。その結果、無処置側と比べて有意な増大は認められなかった。後根神経節の神経細胞に占める筋支配神経細胞の割合は1割程度と少なく、変化が検出できなかったと考えられ、別手法による検証が必要であると考えられた。 一方で、「遅発性筋痛」は炎症像を伴わない(Hayashi et al., 2017)ことから、筋炎モデルの筋におけるTmem120Aおよび120Bの発現レベルを測定した。その結果、両者ともに無処置筋に比べ有意に増大することが分かり、すでに得られていた「遅発性筋痛」の結果との差異が認められた。さらに、「遅発性筋痛」発症の重要因子である神経成長因子(NGF)の発現レベルを、収縮負荷筋の浅層と深層に分けて測定・比較した。その結果、Tmem120Aと同様に深層ではなく浅層において発現増大していた。 以上より、「遅発性筋痛」では収縮負荷筋の浅層領域において、Tmem120AおよびNGFが「遅発性筋痛の発症機構」に関与することが分かった。次年度は、後根神経節のうち筋支配神経細胞に発現する機械受容因子を突き止めるべく、TRPA1やTRPV2とともにTmem120Aの発現を調べる予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新たな機械受容チャネル候補が遅発性筋痛発症に大きく関与する可能性を新たに見出せたものの、組織学的実験に着手できていないため。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は、まだ進んでいない免疫組織化学的実験によるデータを蓄積し、従来の神経マーカーとの共局在度や分布の差異も検討し、学術雑誌への論文投稿や成果公表に努める。
|
Research Products
(12 results)