2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of simplified assessment and support tool for children with developmental disorders
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20K11256
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
岩永 竜一郎 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 教授 (40305389)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仙石 泰仁 札幌医科大学, 保健医療学部, 教授 (10248669)
徳永 瑛子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 助教 (10710436)
佐藤 葉子 (山西葉子) 東京都立大学, 健康福祉学部, 客員研究員 (30423627)
伊藤 祐子 東京都立大学, 人間健康科学研究科, 教授 (60289973)
加藤 寿宏 京都大学, 医学研究科, 准教授 (80214386)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 発達障害 / アセスメント / 支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
発達障害児の指導者等が利用できる簡便な発達評価及び支援ツールを開発することを目的として、研究を進めた。この目的のため、幼児期の日常生活における感覚面、運動面の特徴を捉える質問紙案を令和2年度に作成した。これは専門家による精査に基づき感覚に関する88項目、協調運動に関する35項目によって構成されたものである。今年度は、感覚・運動の質問紙の下位領域を構成し、標準値を設定するために作成した感覚・運動に関する質問紙(案)を用いて3-12歳の子どもの保護者に回答してもらい分析を行った。 調査対象は3-12歳の子どもの保護者1863名であった。保育園、学校から生徒の保護者に質問紙案を配布してもらった。保護者には質問紙に回答後、研究者に郵送してもらった。そして、感覚質問紙、運動質問紙それぞれの因子を探るために探索的因子分析を行った。 調査を依頼した保護者の中で530名からの回答があった。因子分析の結果、感覚面に関する分析でも、運動面に関する分析でも、多くの項目で床効果が見られたために因子を算出することができなかった。これは、対象を幼児のみに絞って分析した場合も、学齢児のみに絞って分析した場合も、同様の結果であった。 因子分析で因子が抽出されなかった原因については、対象児が一般児童であったことが考えられる。対象児には、感覚面や運動面の問題がある子どもが少なく、多くの項目でスコアが「問題なし」を示す「0」が多くなり、床効果が見られたと推察される。 感覚・運動の質問紙の下位領域の構成のため、対象児の再検討が必要と考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
質問紙のデータを収集し、因子分析を行って下位領域を作成し、下位領域毎の標準値を算出する予定であったが、因子分析において因子が算出されなかった。これは対象が一般児童であったため、「問題なし」とする回答が多いことによる床効果が多くの質問項目において見られたことが理由である可能性がある。よって、障害児データを収集していなかったことが問題として挙げられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、発達障害児の保護者にも協力を依頼し、発達障害児のデータを収集し、それらを含めた分析を行う。また、児童発達支援事業所の職員にも質問紙に回答してもらい、発達障害児の指導者が使用する場合の有用性を検証する。これらの検証を経て、webシステムを作成する。
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Causes of Carryover |
調査において、学校、保育園、児童発達支援事業所等に研究代表者や分担者が出向いて調査することを想定していたが、コロナ禍のため、訪問ができなかった学校や保育園が多かった。そのため、交通費の支出が少なかった。次年度、発達障害児の調査対象を広げるために調査にかかる交通費を繰り越して使用する計画である。
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