2020 Fiscal Year Research-status Report
脳卒中超急性期リハビリテーションの効果検証と新たな治療戦略の開発
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20K11269
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Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
玉越 敬悟 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 講師 (30632658)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 脳出血 / 超早期介入 / 運動 / 運動機能評価 / ミクログリア |
Outline of Annual Research Achievements |
近年,大規模な臨床研究や脳梗塞モデル動物を用いた基礎研究において,脳卒中発症後24時間以内の運動介入が運動機能障害に悪影響を及ぼすことが報告された.しかし,現在の脳卒中ガイドラインではできる限り早期からリハビリを行うことを推奨しているため,多くの医療機関で,発症後24時間以内であっても病状が安定している場合は直ちにリハビリが開始されている.そのため,現在,世界中で不適切な超急性期リハビリが行われているおそれがあり,超急性期リハビリ方針を早急に策定する必要があると言える.本年度は,超急性期介入による傷害性ミクログリアの活性化を生化学的解析を通して明らかにすることを目的として研究を行った.コラゲナーゼ注入法を用いて脳出血モデルラットを作製し,発症6時間目,24時間目にトレッドミル走行を実施した後,脳組織を採取した。運動介入前後に運動機能評価(ladder test、Rotarod test)を行ったところ,超早期介入群は機能障害が悪化していた。採取した脳組織の線条体部をトリミングし,傷害性ミクログリアのマーカであるCD80と炎症促進因子であるIL-1bのタンパク発現量をウェスタンブロッティング法で解析した。超早期介入群は,非介入群と比較してCD80タンパク発現量が増加傾向にあった.IL-1bは群間に有意差はなかったが,超早期介入群内でCD80タンパク発現量が多い程,IL-1bタンパク発現量が多く,正の相関があることが分かった.今後は,組織学的解析を行い,ミクログリアの形態学的変化を明らかにする予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度にミクログリアの形態学的変化を組織学的解析により明らかにする予定であったが,生化学的解析に時間を要し,年度内に組織学的解析を行うことができなかった.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度前半にミクログリアの組織学的解析を行う予定である.次年度後半は炎症促進因子抑制薬を用いて,超早期介入における炎症促進因子の役割を明らかにする予定である.また,超早期介入はアポトーシスを促進しない可能性が分かり,当初予定していたアポトーシス誘導シグナルの解析は見送る方向とし,今後,新たな検証方法を考案していく予定である.
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Causes of Carryover |
実験機器の故障により急遽修理が必要となり,購入予定の物品を見送ったため,差額が生じた.残金は、翌年度に今年度購入予定であった物品費用に充てる予定である.
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Research Products
(4 results)