2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of new respiratory muscle training by electrical stimulation for antagonistic muscle
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20K11272
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
松尾 善美 武庫川女子大学, 健康・スポーツ科学部, 教授 (90411884)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳澤 幸夫 徳島文理大学, 保健福祉学部, 教授 (60747632)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 呼吸筋トレーニング / 拮抗筋 / 電気刺激 / 最大実効電流 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、四肢骨格筋に対して開発された方法を応用し、呼気筋である腹直筋、内外腹斜筋を電気刺激しながら対象者に吸気させ、これが腹直筋、内外腹斜筋を遠心性収縮させることで運動抵抗となる呼吸筋(吸気筋)トレーニング法を開発することを目的としている、本年度は、本トレーニング法における拮抗筋への電気刺激強度を調査する。筋への電気刺激強度と負荷圧の関係が不明なため、若年健常者を対象に呼気筋への電気刺激強度と実際にかかる吸気負荷圧について検討し、呼吸筋トレーニングに適した電気刺激強度を決定することであった。 若年健常者28名(男性16名、女性12名、20.4±0.5歳、BMI22.4±2.6)に対し、電気刺激をしない条件、腹壁への電気刺激を呼吸が可能である最大実効電流、筋収縮感覚が得られる運動閾値実効電流、刺激を知覚し始める感覚閾値実効電流の3つの電気刺激強度の4条件について、最高吸気筋力を測定し、群間比較した。結果として、最高吸気筋力に群間での有意差はなく、電気刺激により最高吸気筋力に影響を与えていなかった。以上より、拮抗筋である腹直筋、内外腹斜筋への電気刺激は吸気を妨げることなく、すなわち吸気筋のパフォーマンスに影響せずに呼吸筋(吸気筋)トレーニングを実施できると結論づけられた。したがって、呼吸筋(吸気筋)トレーニングにおいて腹壁への電気刺激強度を呼吸が可能である最大実効電流で来年度健常若年者に実施し、検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定を超える対象者数でのデータ測定を終えているため。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は今年度検討した電気刺激強度に基づいて若年健常者を対象に拮抗筋への電気刺激併用による呼吸に同期した呼吸筋トレーニングを4週間実施するトレーニング群約20 名と呼吸筋トレーニング単独群約20 名で比較し、トレーニング前後での呼吸・咳嗽機能および呼吸筋力、腹壁の筋厚に及ぼす効果について検討する。その際、既製の電気刺激装置に吸気開始のトリガーで電気刺激が自動で実施できるようにシステムに改良を加えて実施する予定である。それらを通じて、トレーニングプロトコールの妥当性を検証し、必要であれば修正を加えることを予定している。Covid-19感染動向を踏まえながら、適切な時期にデータ測定を実施する方針である。
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Causes of Carryover |
肺呼吸用アンプとトランスデューサを各1台購入予定であったが、より安価なマノメータで圧測定を代替できることがわかり、マノメータ1台を購入したため、残高を計上した。この残高分については、次年度に必要な消耗品を購入する予定である。
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