2022 Fiscal Year Annual Research Report
Life events and frailty in older adults: effects by cognitive function and brain atrophy
Project/Area Number |
20K11276
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Research Institution | National Center for Geriatrics and Gerontology |
Principal Investigator |
李 相侖 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 研究所 老年学・社会科学研究センター, 副部長 (90466194)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ライフイベント / 認知機能 / フレイル |
Outline of Annual Research Achievements |
65歳以上の高齢者の人口は28.4%と上昇しており、この10年間で高齢の単身者の世帯、夫婦のみの世帯はそれに伴って倍増していくことが予想されている。今後の単身世帯数について、国立社会保障・人口問題研究所の将来推計をみると、2030年の単身世帯数は1872万世帯になるとみられている。年齢層別にみると、20代~40代の単身世帯数が減少する一方で、中高年や高齢者の単身世帯数が増えることが予想されており、年齢階層による増減が大きく、社会に与える影響は大きい。その理由としては、長寿化の影響と団塊の世代の後期高齢化である。さらに、退職や加齢に伴うパートナーや友人の死亡等のライフイベントによる変化が加えられ、健康および移動制限の増加による要介護状態、孤独(loneliness)、社会的孤立(social isolation)になる可能性が高くなる。認知症の危険因子として、生活上のストレスの大きいライフイベントのような社会心理的環境の影響が考えられているが、どのようなライフイベントが高齢者に発生し、その関連要因については、明らかにされていない。特に、発症時期の差をもたらす一因としては高齢者のフレイル状態等、健康状態による対処の違いが考えられるが、エビデンスは少ない。さらに、ライフイベントの発生が認知機能にどのような影響を及ぼすかについては、科学的根拠が乏しい。 そこで本研究では、大規模高齢者機能健診を用い、高齢者におけるライフイベントの関連要因を明らかにする。今回は、NCGGS-SGSのデータのうち、6300名程度を用いて、ライフイベントの内容による特性比較を行う。また、ライフイベントが生じた高齢者における認知機能との関連、フレイルとの関連を明らかにする。また、ライフイベントのパターン(内容、量)との関連を探索的に検討する。これらの解析により、心理社会的ストレスの関連要因が明らかになり、介入対象者へのアプローチ方法の提案が可能と考える。
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