2020 Fiscal Year Research-status Report
アームロボットを用いた用手運動療法の教育シミュレータ開発と教育効果の新規的検証
Project/Area Number |
20K11286
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Research Institution | Saitama Prefectural University |
Principal Investigator |
小池 祐士 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 助教 (10610694)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 豊太 (濱口豊太) 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 教授 (80296186)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | リハビリテーション / 運動療法 / アームロボット / 患者ロボット / 教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在のリハビリテーション教育では,学生が校内で患者に触れて学習する機会はほとんどなく,運動療法技術が未熟のまま臨床実習で患者と接するため,自らの技術に自信がなく,患者に不安や緊張を与え,患者への不利益が生じることがある.我々は関節運動の様子が記録でき,技能の定量的評価が可能なアームロボットシミュレータを開発した.しかし,運動療法の熟達度の指標がなく,学習者が熟達者の水準に到達したかを判定できない.そこで本研究は,アームロボットを,①運動療法技術に応じて筋緊張を変化する実際の患者に近づけたアームロボットに改良し,②運動療法技術の熟達度を関節可動域,角速度に加え,トルクを用いて作成する,③初学者にロボットを用いた運動療法の教育効果を検証し,リハビリテーション教育に資することを目的とした. 本年度では,①と②を実施した.生身の患者に対して,筋緊張の高いときにゆっくりと筋を持続伸張すると,筋緊張は低減する.逆に,素早い運動を施すと筋緊張を強めてしまう.このように運動療法の手技の違いによって効能が変わるため,熟達者は関節運動の角速度と回数を患者の変化に合わせて運動療法を実施する.学習機会でもこのような練習を可能にするため,空気圧シリンダを用いて,アームロボットを改良した.その結果,素早い運動を施すと筋緊張が高くなり,施術側は重く感じ,ゆっくりと動かすと筋緊張が低減し,施術側は軽く感じることができるようになり,生身の患者に近い表現が可能となった. また,運動療法教育の参考とするために,熟達者と学生の運動療法技術の特徴量をを比較した結果,熟達者と学生の運動療法技術は,最大角速度と最大角度の組み合わせで判別が可能であることが示唆された.このことから,熟達者の最大角速度と最大角度は,学生が上肢運動療法技術を学ぶ際の参考値にできることが示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね予定通りにアームロボットの改良が完了した.ただ,アプリケーションの開発が完了していないため,引き続き開発を進めている.また,熟達者と学生との運動療法技術を判別する指標も明らかとなったため,今後はロボットを用いた運動療法の教育効果を検証していく.
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Strategy for Future Research Activity |
現在までに取得したデータについて,論文作成・投稿を予定している.また,ロボットを用いた運動療法の教育効果を検証するために,データ収集を行っていく.
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Causes of Carryover |
アームロボットの改良に際し,モータを用いて改良予定としていたが,安価で効果的な空気圧シリンダを用いる改良に変更したため,余剰金が生じた.また,新型コロナウイルスの感染拡大による影響もあり,データ収集を行うことができない期間があり,被験者への謝金の支出が予定よりも減額となったため,余剰金が生じた.
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Research Products
(2 results)