2022 Fiscal Year Research-status Report
頭頸部の慢性疼痛の誘発因子に対する運動療法技術の開発
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20K11289
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Research Institution | Bunkyo Gakuin University |
Principal Investigator |
上田 泰久 学校法人文京学院 文京学院大学, 保健医療技術学部, 准教授 (10458549)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 頭頸部 / 疼痛 / セルフケア / 運動療法 / 患者教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度の研究実績の概要では、僧帽筋の筋硬度が高いと頸部の可動域が制限され、頭頸部の病態運動を助長させる一つの要因になることを報告した。僧帽筋の筋硬度が低下する条件を整理することは、頭頸部の病態運動を予防する視点となる。そのため今年度の研究では、僧帽筋の筋硬度と、その深層にある肩甲挙筋の筋硬度に着目して、座位姿勢における脊柱・上肢アライメント変化の影響について検証した。対象は健常な成人男性25名とした。僧帽筋・肩甲挙筋の筋硬度は、生体組織硬度計 PEK-1で測定した。脊柱アライメントは直立姿勢・後弯姿勢、上肢アライメントは下垂位・結帯位とした。その結果、僧帽筋・肩甲挙筋の筋硬度は、脊柱・上肢アライメントの影響を大きく受けないことが明らかとなった。昨年度と今年度の研究結果から、デスクワークでは脊柱・上肢アライメントを変化させることよりも、上肢を十分支える作業環境(机や椅子の肘掛けで上肢を支える)を整える方が、僧帽筋の筋硬度を低下させる有効な方法であることが示唆された。 今年度は、頭頸部の症状を有する症例に実践してきたセルフケアについて、一般書「理学療法士が教える 首コリ・痛みの治し方」にまとめた。慢性疼痛のマネジメントでは「運動療法・患者教育」が第一選択となるため、患者が頭頸部の疼痛の原因を理解して軽減できるようなセルフケアを実施することは慢性疼痛の誘発因子を予防する上で重要と考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
最初の研究課題の測定およびデータ解析で多くの時間を費やしてしまい、次の研究課題まで遂行することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
超音波診断装置のプローブ圧を計測できるアタッチメントを用いて、圧迫による軟部組織の形態変化について検証し、結果については速やかにまとめる。
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Causes of Carryover |
測定およびデータ解析等で多くの時間を費やし、学会発表および論文投稿ができなかったため。
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