2023 Fiscal Year Research-status Report
脳損傷後の運動機能の回復を目指す運動療法の作用機序の解明
Project/Area Number |
20K11292
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
吉川 輝 昭和大学, 保健医療学部, 講師 (90737355)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北井 仁美 昭和大学, 保健医療学部, 講師 (60850071)
田代 尚範 昭和大学, 保健医療学部, 准教授 (70645100)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 脳損傷 / 動作分析 / 運動機能回復 / 運動療法 / 皮質脊髄路 / 代謝 / 遺伝子 |
Outline of Annual Research Achievements |
リハビリテーションの一つである運動療法は脳損傷後の運動機能の回復を目的として行われる。運動療法は、脳損傷により破綻した脳から骨格筋の間の神経ネットワークを再構築すると考えられている。しかしながら、運動療法が運動機能の改善をもたらすメカニズムは十分に理解されていない。当該研究は、脳損傷後の運動と運動機能の回復の作用機序を解明することを目的とし、運動による運動機能の回復と神経ネットワークの修飾の連関性、そして運動により特異的に分泌される因子と運動機能の回復の関連性についてモデル動物を用いて検証する。そして、これらモデル動物での検証結果をヒト脳梗塞患者を対象に運動機能を評価し、基礎と臨床との事象の相互性も検証する。 左大脳皮質を損傷させた脳損傷モデルマウスに対して運動療法として中等度の運動を5回/週、4週間実施した。中等度の運動の規定は、トレッドミル運動としその様子を酸素摂取量、二酸化炭素排出量、血中乳酸値で決定した。4週間の運動療法後、マウスのトレッドミル上の歩行を3次元動作分析にて解析を行なった。その結果、足関節の底背屈の動きに特徴を見出すことができた。この動きを司る骨格筋に着目して解析を進めた結果、脳損傷後1週の時点で速筋線維が有意に減少する一方、遅筋線維については維持されていることを見出した。さらに今年度は、本研究テーマを一部発展させるために脳損傷モデルマウスの週齢の違いに着目して研究に取り組んだ。マウスは、週齢が異なることで同じトレッドミルスピードの運動強度であっても、身体に及ぼす影響が異なることを見出し、モデル動物の週齢の違いにより、その運動負荷の影響と運動機能回復に変化を及ぼす可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
令和5年度は、運動における生体応答をより詳細に検証した。具体的には、動物の週齢の違いに着目してリハビリテーションの方法の一つであるトレッドミル走行を実施し、週齢による差異を明らかにし論文として研究成果を発表した。一方で、本研究テーマとして着目している特異的因子の候補を挙げられていないのが現状である。さらに、動物を対象として得た結果をヒトに応用可能であるか否か、ヒトを対象とした研究が実施できておらず、遅れている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
モデル動物の研究では、引き続き脳損傷後の効果器である骨格筋の変化についてより詳細に検証を行う予定である。この検証の中には、骨格筋の収縮に関連するシグナル伝達物質(エクソルキナーゼ: Exerkine)や血中等に分泌され脳へ移動する因子の種類や動態、その働きについて着目していく。これら動物実験で得られた知見の一部をヒト脳損傷患者で検証するため、ヒトを対象とした研究にも着手していく予定である。
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Causes of Carryover |
当該年度は、研究成果を論文として発表した際にかかった経費および国際学会への成果発表を行ったことに関連する経費が主な支出であった。そのため、動物実験およびヒトを対象とした研究に関わる消耗品の支出がほとんど発生しなかったことで残金が生じた。次年度では、本研究課題の骨格筋の詳細な検証およびヒトを対象とした研究に関わる費用に用いていく。さらに学会での成果発表を行うための費用として支出する予定である。
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Research Products
(23 results)
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[Presentation] New granule cells in the olfactory bulb are associated with high respiratory input in an enriched odor environment.2023
Author(s)
Sawa KAMIMURA, Yuri MASAOKA, Akira YOSHIKAWA, Shotaro KAMIJO, Hirokazu OHTAKI, Nobuyosi KOIWA, Motoyasu HONMA, Kei SAKIKAWA, Sei KOBAYASHI, Hitome KOBAYASHI, Toshikazu SHIMAN, Masahiko IZUMIZAKI.
Organizer
Neuroscience 2023
Int'l Joint Research
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[Presentation] 看護,理学療法,作業療法学科連携によるシミュレーション教育に診療放射線技師の関わる意義2023
Author(s)
大澤三和, 吉川輝, 大塚裕之, 野川悟史, 青木啓一郎, 田代尚範, 藤後秀輔, 駒場一貴, 加藤京一, 榎田めぐみ
Organizer
第39回日本診療放射線技師学術大会
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